Joe Zawinul / Zawinul

CD帯から。「キャノンボールとマイルスにその稀有な才能を認められたザヴィヌルが、ウェザー・リポート結成直前に発表した衝撃の名盤。豪華メンバーを集め、斬新なアイデアをここに凝縮」。リアルタイムで聴いたアルバムではないので、リリースと同時に「衝撃」があったのかは知らないが、これだけの豪華なメンバーをよくぞ集めるたものだ。そして、その後のウェザー・リポートの活動があったからこそ評価されたのだと思う。

そういう意味では、歴史的な名盤と位置付けられるのだが、問題はジャケット。真正面からのどアップの必要があったのか。多少なりに工夫すれば、人気は高まったはず。所有するアルバムから、モノクロの顔写真どアップを2枚選んだ。アルバムHard RainとTutuで、ディランとマイルスは明らかに何かを訴えている。ザヴィヌルは不安げな感じなのだ。

1. Doctor Honoris Causa
2. In A Silent Way
3. His Last Journey
4. Double Image
5. Arrival In New York

Joe Zawinul - acoustic and electric piano
Herbie Hancock - electric piano
George Davis (tracks 1-3,5), Hubert Laws (track 4) - flute
Woody Shaw (tracks 1,2,4,5), Jimmy Owens (track 3) - trumpet
Earl Turbinton (tracks 1-3,5), Wayne Shorter (track 4) - soprano saxophone
Miroslav Vitous, Walter Booker - bass
Billy Hart, David Lee, Joe Chambers - percussion
Jack DeJohnette - melodica (track 3), percussion (track 4)

Recorded on August 6, 10 & 12, 1970 at Atlantic Recording Studios, NYC.

Joe Morello / It's About Time

ジョー・モレロがデイブ・ブルーベックのアルバム『タイム・アウト』に参画したのは1959年6月から8月。その2年後に本アルバムを製作。コンセプトはTime。収録された全ての曲のタイトルにtimeの単語が入っている。ドラマー名義のアルバムだけに、企画優先のアルバムだったのだろう。『タイム・アウト』は編拍子がコンセプトだった。その恩恵に授かって作り込んだと思う。

企画倒れにならなかったのは、フィル・ウッズのアルトサックス、ゲイリー・バートンのヴァイブによって緊張感を出すことができたから。そして、全10曲中の4曲にオーケストラを配置。「時は金なり」で、予算も十分に確保した企画だった訳である。timeと言えば、収録曲以外にNow's The Time, As Time Goes By, Some Other Timeが思い浮かぶが、なぜか落選してしまった。

1. I Didn't Know What Time It Was
2. Time After Time
3. Every Time
4. Every Time We Say Goodbye
5. Just In Time
6. Summertime
7. Time On My Hands
8. Mother Time
9. Fatha Time
10. It's About Time

Phill Woods - alto saxophone
Gary Burton - vibraphone
John Bunch - piano
Gene Cherico - bass
Joe Morello - drums

Recorded on June 6 - 15, 1961 in Webster Hall and RCA Victor's Studio A, NYC.

Joe Henderson / Mode For Joe

ジョー・ヘンダーソン、リー・モーガン、カーティス・フラーによるフロント3管。さらに、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブが加わって、タイトル通りのモーダルな雰囲気を醸し出す。それを見事にバックアップしているのが、シダー・ウォルトン。ウォルトンは、タイトル曲のMode For JoeとBlackをここでは提供し、本作から約10年後の1975年10月に録音したアルバムEastern RebellionでMode For Joeを再演している。

ふと、マイルスとヘンダーソンとの共演があったか気になり、Wikipediaを見たら次の一文があった。「1967年には、短期間ではあったがハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスを擁するマイルス・デイビス・クインテットに参加した。しかし、このバンドでの録音は行われなかった」。本作録音の翌年のことである。さらに、マイルス自叙伝②には、「テナーサックスが2本のセクステットを試していたから、1967年の初めにはジョー・ヘンダーソンが入っていた」とあった。もし、マイルスがテナー2本構成に新たな可能性を見いだしていれば、ヘンダーソンのその後の方向性は大きく変わっただろう。

1. A Shade Of Jade
2. Mode For Joe
3. Black
4. Caribbean Fire Dance
5. Granted
6. Free Wheelin'
7. Black [alternate take]

Joe Henderson - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet
Curtis Fuller - trombone
Bobby Hutcherson - vibraphone
Cedar Walton - piano
Ron Carter - double bass
Joe Chambers - drums

Recorded on January 27, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.