Johnny Griffin / Introducing Johnny Griffin

ジョニー・グリフィンの初リーダーアルバム。実際には、同じ1956年に別のアルバムを地元のシカゴで先に録音しているが、それがリリースされたのが1958年。なので、タイトル通りの本作。グリフィンは1928年4月24日生まれなので、28歳になる直前の演奏である。

いきなりのデビュー戦で、豪快に疾走するグリフィン。ホームラン打者ではなく、一二塁間を矢のように抜けるヒットを飛ばす。そして、すかさず二塁へ盗塁。その勢いを止めずに三塁へ。マックス・ローチが、バックで何度か「エイヤァー!」と叫ぶ。4人のメンバーがスタジオで興奮したと容易に想像できる。ジャズが本来持っているパワーが伝わってくる。

1. Mildew
2. Chicago Calling
3. These Foolish Things
4. The Boy Next Door
5. Nice And Easy
6. It's All Right With Me
7. Lover Man
8. The Way You Look Tonight
9. Cherokee

Johnny Griffin - tenor saxophone
Wynton Kelly - piano
Curly Russell - bass
Max Roach - drums

Recorded on April 17, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Lewis / The John Lewis Piano

1956年7月から57年8月までの3回のセッションをまとめたアルバム。ジョン・ルイスのピアノソロはなく、デュオかピアノトリオによる構成。そして、デュオの相手はドラムかギター。あくまでも主役はルイスであって、セッションに参加したメンバーは引き立て役でしかない。つまり、ジャズ本来のインタープレイを楽しむアルバムではないということ。そういう意味では、タイトルThe John Lewis Pianoは演奏内容を適確に表している。

気になるのは6曲目のWarmelandで、スウェーデンのトラディショナル曲Dear Old Stockholmを指している。原曲のタイトルAck Värmeland, du skönaを忠実に英語表記したようだ。ところが、ルイス名義の56年12月録音のアルバムAfternoon In Parisでは、Dear Old Stockholmと記載して収録しているのだ。つまり、同じ曲を2つのアルバムに続けて録音することにルイスはためらいを感じ、曲名を伏せたのだろう。ここにルイスの性格が読み取れる。

1. Harlequin
2. Little Girl Blue
3. The Bad And The Beautiful
4. D & E
5. It Never Entered My Mind
6. Warmeland
7. Two Lyric Pieces: a. Pierrot, b. Colombine

John Lewis - piano
Barry Galbraith - giutar (tracks 3,5,6)
Jim Hall - guitar (tracks 7)
Percy Heath - bass (tracks 2,4)
Connie Kay - drums (tracks 1,2,4)

Recorded on July 30, 1956, February 21 and August 24, 1957 at NYC and the Music Inn in Lenox, MA.

John Lewis / Afternoon In Paris

ジョン・ルイスが、フランスの若手ギタリストのサッシャ・ディステル、そしてテナーサックスのバルネ・ウィランを迎えてパリで録音。1956年12月の2回のセッションによる構成で、ベースとドラムは入れ替わっている。事前にしっかり準備して録音されたアルバムだと思うが、何故か録音スタジオのデータが残っていない。

エッフェル塔をバックにルイスとディステル。赤と青のストライプは、フランス国旗のイメージ。ジャケット下の参加メンバーの頭文字にも赤と青。パリを前面に出したアルバムとも言える。しかしながら、最高の出来は、2曲目のディア・オールド・ストックホルム。これいかに。

1. I Cover The Waterfront
2. Dear Old Stockholm
3. Afternoon In Paris
4. All The Things You Are
5. Bags' Groove
6. Willow Weep For Me

Barney Wilen - tenor saxophone
Sacha Distel - guitar
John Lewis - piano
Pierre Michelot - bass (tracks 1-3)
Connie Kay - drums (tracks 1-3)
Percy Heath - bass (tracks 4-6)
Kenny Clarke - drums (tracks 4-6)

Recorded on December 4 & 7, 1956 in Paris.