John Coltrane / One Down, One Up - Live At The Half Note

1965年3月と5月のハーフ・ノートでのライブ演奏を、FMラジオ局WABC FMが番組Porttarits in Jazzで完全生中継した。長年経ってその音源が発見され、2005年10月にリリースされたアルバム。従って、DJであるAlan Grant(アラン・グラント)の司会が曲の前後に入る。Disc Oneが約43分、Disc Twoが約44分であることから、45分番組であったと想像できる。

極めつきは、アルバムのタイトル曲。ギャリソンのベースソロから始まる。番組が放送を開始した時点では、すでに演奏は始まっていたことになる。その後にピアノとベースが演奏を止め、コルトレーンとエルビンの一騎討ちに入る。生放送に合わせたライブではなく、ライブを生放送が切り取った訳だ。

ハーフ・ノートは、もともとはレストランであったため、舞台は非常に狭かったらしい。アルバム内側の写真を見ると、舞台に楽器ケースが置かれ、コルトレーンとエルビンが向かい合っている。演奏する環境が悪いからこそ、素晴らしい演奏を残せたとも言える。

Disc 1
1. Introduction And Announcements
2. One Down, One Up
3. Announcements
4. Afro-Blue

Disc 2
1. Introduction And Announcements
2. Song Of Praise
3. Announcements
4. My Favorite Things

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophones
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on March 26 (disc 1) and May 7 (disc 2), 1965 at The Half Note, NYC.

John Coltrane / Big Nick

いわゆるオムニバスアルバム。日本ビクターが、1981年にMCAレーベルとしてLPで発売したもの。当然ながら廃盤であり、CD化もされていない。ならば、高値が付くほどの貴重なアルバムかと言うと、そうでもない。このアルバムに収録された曲は、別の形で世に出ているからである。

しかしながら、1962年4月から65年7月の期間は、コルトレーンの音楽が大きく変貌した時期だったので、正規のアルバムから落とされた音源であっても、極めて重要な曲を集めたアルバムと位置付けることができる。以下は、他のアルバムとの重複データ。

Big Nick - Coltrane on ImpulseのCD化でボーナストラックとして追加
Vilia - The Lost Albumに収録
Feelin' Good - Feelin' Goodと重複
Nature Boy - The New Wave In Jazz [Impulse! A-90]に収録(未所有)
Dear Old Stockholm - The Definitive Jazz Scene Volume 2 [Impulse! A-100]に収録(未所有)
One Down, One Up - My Favorite Things - Coltrane At Newportに収録

1. Big Nick
2. Vilia
3. Feelin' Good
4. Nature Boy
5. Dear Old Stockholm
6. One Down, One Up

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Art Davis - bass (track 3)
Elvin Jones - drums (tracks 1-4,6)
Roy Haynes - drums (track 5)

Recorded
Track 1 on April 11, 1962 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Track 2 on March 6, 1963 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Track 3 on February 18, 1965 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Track 4 on March 28, 1965 at Village Gate, Greenwich Village, NY.
Track 5 on April 29, 1963 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Track 6 on July 2, 1965 at Newport Jazz Festival, Freebody Park, Newport, RI.

John Coltrane / A Love Supreme

今日7月17日はコルトレーンの命日。所有するコルトレーン、いや全てのアルバムの中で、最も数多く聴いてきたのが本作。邦題『至上の愛』。4楽章で構成される組曲は、「承認」、「決意」、「追求」、「賛美」と訳された。このアルバムを聴くときは、その日にやることを全て終わらせてからだった。何かやり残しがあると、この組曲に集中できない。一人暮らしをしていた頃は、部屋の明かりを消してまで聴いた覚えもある。聴き終わったとき、何とも言えない爽快感が残る。ぎゅっと凝縮して、一気に解放されるのだ。

2002年10月23日にデラックス・エディションがリリース。1965年7月のフランスでの「至上の愛」ライブ演奏、そして、64年12月オリジナル録音の別テイクが追加された。写真入りの英文解説、読み応えのある日本語解説が入っていて、半透明のビニールケースに包まれた(2015年には別テイクを充実させたコンプリート・マスターズもリリース)。別テイクでは、オリジナルメンバー以外にアーチー・シェップとアート・デイビスが参加したが、実験で終わってしまっている。だが、この実験はアルバムAscensionのセッションで継続。つまり、「至上の愛」を録音した時、コルトレーンの中に次の構想が出来つつあったということだ。ジャケットに写るコルトレーンの鋭い眼光。「次なるものへ…」と語っている気がしてならない。そして、誰も踏み入れて来なかった、後戻りすらできない世界へ突き進んでいったのである。

Disc 1
1. Part 1: Acknowledgement
2. Part 2: Resolution
3. Part 3: Pursuance
4. Part 4: Psalm

Disc 2
1. Introduction by Andre Francis
2. Acknowledgement [live]
3. Resolution [live]
4. Pursuance [live]
5. Psalm [live]
6. Resolution [alternate take]
7. Resolution [breakdown]
8. Acknowledgement [alternate take]
9. Acknowledgement [alternate take]

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone, vocals
Jimmy Garrison - bass
McCoy Tyner - piano
Elvin Jones - drums
Archie Shepp - tenor saxophone (disc 2 tracks 8,9)
Art Davis - bass (disc 2 tracks 8,9)

Disc 1
Recorded on December 9, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Disc 2 tracks 1 - 5
Recorded on July 26, 1965 at the Festival Mondial du Jazz Antibes, Juan-les-Pins, France.

Disc 2 tracks 6 & 7
Recorded on December 9, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Disc 2 tracks 8 & 9
Recorded on December 10, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.