Jackie McLean / Capuchin Swing

タイトルとジャケットから、何らかの主張があるように思えるアルバム。だが、それらは後付けのような感じだ。Wikipediaによれば、Capuchinとは中央・南アメリカ産のサルとある。ジャッキー・マクリーン自身が、このサルをペットとして飼っていたのかは分からないが、ジャズのアルバムのジャケットに本物のサルを使ったのは、この1枚だけではないだろうか。

タイトル曲Capuchin Swingはマクリーンの作品。前作のアルバムは1959年10月録音のSwing, Swang, Swingin'なので、本作はサルだってスイングするほどの出来栄えということだろうか。当時としては、最強のメンバーによる演奏だのだが、アルバムとしては可もなく不可もなしという感じ。名演奏が随所に光るものの、名曲を配置できなかったことにあるのだろう。サル・・・ではなく、マクリーンも木から落ちる、ということなのだ。

1. Francisco
2. Just For Now
3. Don't Blame Me
4. Condition Blue
5. Capuchin Swing
6. On The Lion

Jackie McLean - alto saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Walter Bishop Jr. - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recorded on April 17, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Jackie McLean / Swing, Swang, Swingin'

Ira Gitler(アイラ・ギトラー)による英文ライナーノーツの最後には、こう書かれている。As Alfred Lion said, "They came, swung and they split, so we called the album, Swing, Swang, Swingin'." They came and swung all right but before they split, Jackie and his associates did more than just swing - the made some real "love" music.

「彼らはやって来て、スイングし、そして別れた。だから、このアルバムを〈スイング、スワング、スインギン〉にしたとアルフレッド・ライオンは言っている。そうだろうけど、ジャッキーと仲間達はただスイングするだけじゃなく、本当に愛すべき音楽を作ったのだ」。ギトラーは、スイングの単純な三段活用によるタイトルに釘を刺している。

1. What's New
2. Let's Face The Music And Dance
3. Stablemates
4. I Remember You
5. I Love You
6. I'll Take Romance
7. 116th And Lenox

Jackie McLean - alto saxophone
Walter Bishop Jr. - piano
Jimmy Garrison - bass
Art Taylor - drums

Recorded on October 20, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Jackie McLean / New Soil

New Soil ー 直訳すれば「新しい土」。だが、ここでは「新天地」と訳したい。マクリーンにとって、ブルーノートでの最初の吹込みである。残念ながら「名曲」と呼べるものが収録されてはいないが、プレスティッジからブルーノートへ移り、新たな気持ちでの心意気を感じる。全5曲中の最初の2曲がマクリーン、残り3曲がウォルター・デイビスの作品である。

当時、マクリーンは28歳になる手前。環境が変わったことによって、躍進の第一歩を踏み出せたのだろう。なお、ラストDavis Cupの曲名は、本作の録音からちょうど3か月後に、デイビスの初リーダーアルバムのタイトルとなった。

1. Hip Strut
2. Minor Apprehension
3. Greasy
4. Sweet Cakes
5. Davis Cup

Jackie McLean - alto saxophone
Donald Byrd - trumpet
Walter Davis Jr. - piano
Paul Chambers - bass
Pete La Roca - drums

Recorded on May 2, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.