Eric Dolphy / In Europe Vol.3

アルバムIn EuropeはVol.1,2,3ともにLPで所有。LPの制約によるものだろう、1961年9月6日と8日のコペンハーゲンでのセッション全11曲が、3つのアルバムに順不同で収められている。Vol.3の中古で安価なCDを発見し購入。Vol.3は、ジャズのスタンダードであるガレスピー作のWoody'n Youから始まる。ドルフィーのディスコグラフィーを調べると、他では演奏していない。

この曲は多くのジャズマンが演奏しているものの、ドルフィーと関係が深かったコルトレーンやミンガスは一度もアルバムに残していない。となると、ドルフィーがこの曲を取り上げたのは、どんな理由からだったのだろう。1957年11月、ビレッジ・バンガードのロリンズの演奏と聴き比べると、ドルフィーが原曲のメロディーをいかに大事にしているかが良く分かる。

1. Woody'n You
2. When Lights Are Low
3. In The Blues 1-2-3

Eric Dolphy - alto saxophone (tracks 1,3), bass clarinet (track 2)
Bent Axen - piano
Erik Moseholm - bass
Jorn Elniff - drums

Recorded on September 6 & 8, 1961 in Copenhagen.

Eric Dolphy / In Europe Vol.2

1961年9月6日と8日にコペンハーゲンでのライブの記録は以下の通り。6日は曲数が少なく、テイクを重ねていることから、録音のトラブルがあったのではないだろうか。Vol.2ではThe Way You Look Tonightに注目したい。1950年代前半にジャズ・メッセンジャーズやモンクなどが録音していて、ドルフィーはコペンハーゲンの聴衆に熱いジャズを届けたいと思ったのだろう。ドルフィーのアルトサックスが炸裂する。演奏が終わると拍手の嵐。

◆September 6, 1961 at Berlingske Has, Copenhagen.
Don't Blame Me - Vol.2
Don't Blame Me [take 2] - Vol.2 & Album "Here and There"
When Lights Are Low - Vol.3
Miss Ann [take 1] - unissued
Miss Ann [take 2] - unissued

◆September 8, 1961 at Studenterforeningen, Copenhagen.
Hi-Fly - Vol.1
Glad To Be Unhappy - Vol.1
God Bless The Child - Vol.1
Oleo - Vol.1
The Way You Look Tonight - Vol.2
Les - Vol.2
Laura - Vol.2
Woody'n You - Vol.3
In The Blues [take 1,2,3] - Vol.3

* * *
1. Don't Blame Me
2. The Way You Look Tonight
3. Les
4. Luara
5. Don't Blame Me [take 2]

Eric Dolphy - flute (track 1,2), alto saxophone (tracks 2-4)
Bent Axen - piano
Erik Moseholm - bass
Jorn Elniff - drums

Tracks 1 & 5
Recorded on September 6, 1961 at Berlingske Has, Copenhagen.

Tracks 2, 3 & 4
Recorded on September 8, 1961 at Studenterforeningen, Copenhagen.

Eric Dolphy / In Europe Vol.1

1961年9月6日と8日のコペンハーゲンでのセッションが3枚のアルバムに分散。ベスト曲がVol.1、残りがVol.2と3という構成ではないので、セッションの様子を知るためには、3枚すべてを聴く必要がある。Vol.1は、チャック・イスラエルとのデュオHi-Flyで始まる。フルートとベースの組み合わせ。イスラエルは飛び入り参加であった。ちなみに、イスラエルは62年5月からビル・エバンスのトリオにスコット・ラファロの後任として参加。

Vol.1の最大の聴きどころはGod Bless The Childのバスクラリネット独奏。ドルフィーは、5回の独奏ライブをアルバムに残している。1961年7月ニューヨークFive Spot(5分38秒)、8月ベルリン(3分18秒)、9月コペンハーゲン(7分6秒)、11月ストックホルム(5分25秒)、そして63年3月のイリノイ大学(8分45秒)。括弧内は演奏時間。演奏内容と時間が比例する訳でないが、ライブ会場の雰囲気が良く、イマジネーションが高まれば、独奏だけに時間は長くなるはず。5回の演奏を続けて聴いたが、その通りであった。

1. Hi-Fly
2. Glad To Be Unhappy
3. God Bless The Child
4. Oleo

Eric Dolphy - flute (tracks 1,2), bass clarinet (tracks 3,4)
Bent Axen - piano (tracks 2,4)
Chuck Israels - bass (track 1)
Erik Moseholm - bass (tracks 2,4)
Jorn Elniff - drums (tracks 2,4)

Recorded on September 8, 1961 at Studenterforeningen, Copenhagen.