Charles Lloyd / Tone Poem

チャールス・ロイド自身の本作についてのコメントをネットで見つけた。「今、私の楽器から鳴る音や声は若い頃にはなかったものです。これらのアンサンブルは、何か新しいものを表現しようとしていて、何かより高い目標を示してくれていると思っています。様々な問題が取り巻くこの世界の中で、声を上げずに傷ついている人がたくさんいます。そういう人々に音楽を届けたいのです。地球に無毒で無害でありながら何かに酔いしれることは、曲にして、音にするのに値する素晴らしいことです」。

「地球に無毒で無害でありながら」の部分が意味不明。原文は"To be drunk while also being non-toxic and non-harmful to the world is a contribution worth making, a song worth singing."なので、「この世に毒をもたらさずに酔いしれるのは、曲をつくり、歌い続けることです」という感じ。

それよりも、ブルーノートからのリリースにもかかわらず、詳細な録音データが見つからない。特に7曲目のAy Amorはライブと表記されているのだが、いつどこでの演奏なのか分からない。このことに関しては、有毒なアルバムである。

1. Peace
2. Ramblin
3. Anthem
4. Dismal Swamp
5. Tone Poem
6. Monk’s Mood
7. Ay Amor [Live]
8. Lady Gabor
9. Prayer

Charles Lloyd - tenor saxophone, flute
Bill Frisell - guitar
Greg Leisz - pedal steel guitar
Rueben Rogers - bass
Eric Harland - drums

Released on March 12th, 2021.

Charles Lloyd / Vanished Gardens

モンタレー・ジャズ・フェスティバルのライブアルバムForest Flower(1966年9月18日録音)で、時の人となったチャールス・ロイド。それから53年。今年で81歳を迎えたが、いまだに現役である。このアルバムは、全10曲中、偶数番目にルシンダ・ウィリアムズの渋いボーカルが入る。9曲目はロイドとビル・フリゼールのデュオでMonk's Mood(セロニアス・モンク作)。ラストは、このデュオにウィリアムズのボーカルが入ったAngel(ジミ・ヘンドリックス作)。

ロイドとウィリアムズのオリジナル曲が中心だが、最後にモンクとジミヘンを配置するという憎い構成。年齢を重ねる毎に音楽の幅が広がるロイド。リアルタイムで自分が追いかけているジャズマンの一人だ。そろそろ、次の新作を期待したい。

1. Defiant
2. Dust
3. Vanished Gardens
4. Ventura
5. Ballad Of The Sad Young Men
6. We've Come Too Far To Turn Around
7. Blues For Langston And LaRue
8. Unsuffer Me
9. Monk's Mood
10. Angel

Charles Lloyd - tenor saxophone, alto flute, ghost vocals
Lucinda Williams - vocals
Bill Frisell - guitar
Greg Leisz - pedal steel guitar, dobro
Reuben Rogers - bass
Eric Harland - drums

Recorded on April 14, 15 & September 9, 10, 2017 at East West Studios.

Charles Lloyd / Passin' Thru

チャールス・ロイドが9月初めに来日し、東京ジャズとブルーノート東京で公演予定。ジャズが金持ちの贅沢趣味になったような感じで、どちらも敷居が高い。81歳となったロイドには体力的に厳しいかも知れないが、新宿ピットインなどで追加公演してくれないだろうか。酒を飲みながら聴きたい。

さて、このアルバムは2つのライブから構成されている。1曲目のみが2016年6月のモントルー・ジャズ・フェスティバルで、残りの6曲が7月のレンジック・シアター(ニュー・メキシコ)である。モントルーのライブでは録音機材のトラブルがあったのか、それともレンジックのライブだけではアルバムの曲数が足りなかったのか。全7曲で74分47秒。1曲目は1966年にリリースしたアルバムDream Weaverのタイトル曲で17分45秒。ロイドは50年ぶりの演奏をこのアルバムに何とか収めたかったのだ。

1. Dream Weaver
2. Part 5, Ruminations
3. Nu Blues
4. How Can I Tell You
5. Tagore On The Delta
6. Passin' Thru
7. Shiva Prayer

Charles Lloyd - saxophone, flute
Jason Moran - piano
Reuben Rogers - bass
Eric Harland - drums

Track 1
Recorded on June 30, 2016 at Montreux Jazz Festival.

Tracks 2 - 7
Recorded on July 29, 2016 at The Lensic, Santa Fe New Mexico.