Cecil Taylor / Nefertiti

かつての山下トリオ(山下洋輔、坂田明、森山威男)と同じ楽器構成のため、どうしても比較したくなる。山下トリオの真骨頂は、あるフレーズ(合言葉と言ってもいい)を元にして、どんどん膨らませていくことにある。その過程で様々な技(わざ)が出て、3人による技の掛け合いが頂点に達すると、膨らんだ風船がついに破裂してクライマックスとなる。

一方、セシル・テイラーの作法は、全体の骨格はすでにできていて、そこに壁や窓をはめ込んでいく感じ。全てをはめ込んだら完成。ジグソーパズルのイメージだろうか。LPのライナーノーツでは、間章(あいだ あきら)氏がこう記述している。「ピアノの歴史の中でテイラーはピアノの解体がピアニストの自己解体かという負性を理知の内に肉体を通してとらえ込んだひとつの局面の極を代表するべき存在である」。全く分からない。かつてのフリージャズを語る時の卑しき表現。いいか、悪いか。好きか、嫌いか。面白いか、つまらないか。音楽なんて、ジャズなんて、それでしかない。それを「自己解体」とか言って逃げる姿勢。フリージャズをつまらなくした連中がここにいたのだ。

1. What's New?
2. Nefertiti, The Beautiful One Has Come [1st Variation]
3. Lena
4. Nefertiti, The Beautiful One Has Come [2nd Variation]
5. Call [MONO 2nd variation]

Cecil Taylor - piano
Jimmy Lyons - alto saxophone
Sonny Murray - drums

Recorded on November 23, 1962 at The Cafe Montmartre, Copenhagen, Denmark.

Cecil Taylor / Love For Sale

前半3曲は、ピアノトリオでのコール・ポーターのスタンダード。後半3曲は、テナーとトランペットを加えたクインテットでのテイラーのオリジナル。この1枚のアルバムに、テイラーの真髄がぎっしり詰まっている。CD化でピアノソロが入ればと期待していたが、それは叶わなかった。

では、テイラーのジャズはどこが凄いか?いろいろ考えるのだが、決定的な言葉が見つからない。ふと、思い付いたのは「迷いのジャズ」。「これでいいのだ!」と終わらずに、「これでいいのだろうか?」と終わる感じ。8分余りのタイトル曲Love For Saleは、ソロでなんとなくテーマが始まり、ベースとドラムが入ってくる。だが、Love For Saleのフレーズに固執するか突き放すか迷っているうちに演奏は進行し、あっけなく終わってしまう。テイラーは何度もライブ演奏を行い、数多くのアルバムを残してきたが、常に「これでいいのだろうか?」と思っていたような気がする。

1. Get Out Of Town
2. I Love Paris
3. Love For Sale
4. Little Lees (aka Louise)
5. Matie's Trophies (aka Motystrophe)
6. Carol / Three Points

Cecil Taylor - piano
Buell Neidlinger - bass (or Chris White, from Album "In Transition ")
Denis Charles - drums (or Rudy Collins, from Album "In Transition")
Bill Barron - tenor saxophone (tracks 4-6)
Ted Curson - trumpet (tracks 4-6)

Recorded on April 15, 1959 at Nola's Penthouse Sound Studios, NYC.

Cecil Taylor / In Transition

1955年12月録音のアルバムJazz Advanceと59年4月録音のアルバムLove For Saleをカップリングしたもので、どちらのアルバムもCDで所有済み。自分にとっては、2枚組輸入中古LPの存在価値はなくなってしまった。

2つのアルバムには、4年近い期間が空いているので、Transition(変遷)というタイトルだけが価値あるものになった。

1. Bemsha Swing
2. Charge 'Em Blues
3. Azure
4. Song
5. You'd Be So Nice To Come Home To
6. Rick Kick Shaw
7. Sweet And Lovely
8. Get Out Of Town
9. Carol / Three Points
10. Love For Sale
11. Little Lees
12. Motystrophe
13. I Love Paris

Tracks 1 - 7
Steve Lacy - soprano saxophone
Cecil Taylor - piano
Buell Neidlinger - bass
Dennis Charles - drums
Recorded on December 10, 1955 in Boston, MA.
Originally released on The Transition Label.

Tracks 8 - 13
Bill Barron - tenor saxophone
Ted Curson - trumpet
Cecil Taylor - piano
Chris White - bass
Rudy Collins - drums
Recorded on April 15, 1959 at Nola's Penthouse Sound Studios, NYC.
Originally released as "Love For Sale" on United Artists (tracks 8, 10-13).