大学時代、このアルバムを聴きながら、ジャズ研の仲間と何度ジャズの議論をし、何度酔っ払い、何度つぶれたか。何の議論をしていたのかほとんど忘れてしまったが、「ベーシストはベースラインを弾くのは当たり前で、それ以上に曲全体とメンバーをどうまとめるかを考えろ!」と先輩が熱く語っていたことを思い出す。つまり、Somethin' Elseを生み出すのがジャズなんだと言っていたのだろう。
さて、本アルバムについては、どの解説にもキャノンボール・アダレイ名義だが、実質的にはマイルスが統制を執っている、と書いている。実際にそうだったのだろう。だが、ラスト曲Dancing In The Darkでは、マイルスは参加していない。マイルス・デイビス自叙伝①の346ページにこう書いてある。『ニューヨークに帰ると、ブルーノートと契約したキャノンボールのレコーディングが待っていた。奴がオレにも加わって欲しいと言うから、友情として付き合った。「サムシング・エルス」というレコードで、なかなか良かった』。マイルスの発言が真実であるとすれば、単なる友情出演のアルバムなのだ。
1. Autumn Leaves
2. Love For Sale
3. Somethin' Else
4. One For Daddy-O
5. Dancing In The Dark
Cannonball Adderley - alto saxophone
Miles Davis - trumpet (except track 5)
Hank Jones - piano
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums
Recorded on March 9, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.