いろいろと気になることが多いアルバム。まずは、ジャケット。タイトル下には少し小さなフォントでwith Bill Evansとあるので、キャノンボール・アダレイ名義ながらも、エバンスとの合作であることがわかる。しかし、アダレイの表情が妙に硬い。人の足を逆さにした置物が意味不明でもある。その下には、エバンスの写真。これは、エバンスのアルバムSunday At The Village Vanguardに使われたジャケット写真と同じ。ジャケット全体からは、まるでエバンスの追悼アルバムのように思えてしまう。
そして、エバンス作の名曲Waltz For Debbyからスタート。本作が録音された時点では、エバンスの同名のライブアルバムは、まだ録音されていない。エバンス自身による初演は、1956年9月録音のピアノトリオによるアルバムNew Jazz Conceptionsで、本作が2回目のセッション。エバンスは、アダレイをフロントに加えたらどんな感じの曲想になるのか試したかったのだろう。つまり、エバンスの実験アルバムのような気がしてくる。アダレイの表情が硬いのは、実験台にされたKnow What I Mean(オレの気持ちを分かってくれ)ということなのだ。
1. Waltz For Debby
2. Goodbye
3. Who Cares? [take 5]
4. Who Cares? [take 4]
5. Venice
6. Toy
7. Elsa
8. Nancy (With The Laughing Face)
9. Know What I Mean? [re-take 7]
10. Know What I Mean? [take 12]
Cannonball Adderley - alto saxophone
Bill Evans - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums
Recorded on January 27, February 21 and March 13, 1961 at Bell Sound Studios, NYC.