スイングジャーナル 1968年9月号

表紙はボビー・ハッチャーソン。最も気になった記事はNEW ROCK。

ジャズ&ポップス誌5月号の読者人気投票で、女性歌手の第1位にジャニス・ジョプリンが他のジャズボーカリストを抑えて躍り出た。この時、ジャニスは25歳。2年後の1970年10月に亡くなっている。ちなみに、男性歌手の第1位はサッチモである。

スイングジャーナル 1968年8月号

1968年6月15日に心臓発作で急死したウェス・モンゴメリーの特報。この記事に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」などで成功した後のインタビューが載っている。死の2か月前まである。

「成功はたしかにぼくにとって大切なことにはちがいないが、最大事というわけではない。すべてのものは人間の生き方に関わっているわけだが、ぼくは自分の音楽以外のものに対する興味をおし殺してまで、自分の音楽活動を広げようとはおもわない。音楽は依然としてぼくにとっては趣味なのだ」。

コマーシャルリズムに乗らないと言いたいのだろうが、最後の「ぼくにとっては趣味なのだ」は何を言いたかったのだろう。「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のような音楽は・・・という意味ではないだろうか。原文を読んでみたい。

スイングジャーナル 1968年7月号

特別企画「コルトレーン一周忌にあたって」。その中で、ライバルに去られ生気を失ったソニー・ロリンズとある。同号の「世界のジャズ・ニュース」では、ソニー・ロリンズが行方不明との記事。1968年1月の来日の時、ロリンズは「アメリカを脱出したい」とか「ヒマラヤへ行きたい」と漏らしていたらしい。コルトレーンの特集記事ながら、ロリンズのある種の精神的弱さを感じてしまった。

それ以上に気になったのが、5月に初来日したチャールス・ロイドの公演レポート。期待されていたキース・ジャレットが、米国の出発直前に兵役召集令のため同行できなかったとあった。プロモーターとしては、ライブアルバムを企画していたのだと思うが、それは果たせず。しかしながら、突然にピアノを欠いたライブだったものの、ロイドは観客を歓喜させる演奏をしたとのこと。ロリンズとは大違いである。