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30年前の増刊号を丁寧に読んだ記憶がある。だけど、まだまだ給料は安く、聴きたいと思ったアルバムに簡単には手を出せず、渋谷のディスクユニオンで中古LPを漁っていた。その頃、つまり1980年代半ば、新譜のLPは2千円以上、中古LPでも程度が良ければ千円ほどだったと記憶する。
給料が現金払いだった時代。アパートの家賃を支払い、残った金からまずはLP購入に3万円を寄せて。余った金で生活。まぁ、稼いだ金と自分の時間は、8割がたジャズと酒につぎ込んできた感じがする。
ジャーナル社にとっては臨時増刊の出版であっても、読み手は自分の生き方を確かめる価値があった訳なのだ。30年以上、本棚で出番をまっていた増刊号。ゴールド・ディスクの第一弾は、トミー・フラナガンの『オーバーシーズ』だった。
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