スイングジャーナル 1983年12月臨時増刊「モダン・ジャズ読本'84」

ウイントン・マルサリスは、未だにファンになれない。トランペットがうまいのは分かっている。フォー・ビート回帰の立役者だったということも評価したい。だけど、ジャズの巨人と言われてきたミュージシャンは、ジャズ界がどうなろうと気にはしていなかった。自分が目指す音楽をやっていたに過ぎない。つまり「回帰」などという考えは、全くなかったはずだ。

パーカー、トレーン、マイルス、ミンガス、モンク、パウエル。誰一人、ジャズに対して過去の遺産みたいな考えはなかった。そんなウイントン・マルサリスをスイングジャーナルは神童ともてはやした。結局のところ、神童はただのプレイヤーになってしまったのだ。

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