Bud Powell / At The Golden Circle Vol.5

2曲目のThis Is No Laughing Matterは、パウエルのピアノソロなのだが、何と途中から唄い始める。ゴールデン・サークルでのライブ録音が終盤に近づき、成功を感じて思わず唄ってしまったのか。もし、そうだとするとパウエルの人柄を見直してしまう。

そして、4曲目のStraight, No Chaserは20分以上の熱演で、パウエルが呻きながら鍵盤を叩きまくる。この曲を作曲したモンクほどの緊張感はないものの、エネルギッシュだ。この5連続アルバムの最後は、演奏ではなく、パウエル自身によるメンバー紹介で幕を閉じる。そして、観客からの暖かい拍手。250席のクラブはほぼ満席だったようだ。

1. Hot House
2. This Is No Laughing Matter
3. 52nd Street Theme
4. Straight, No Chaser
5. Thanks By Bud Powell

Bud Powell - piano
Torbjorn Hultcrantz - bass
Sune Spangberg - drums

Recorded on April 23, 1962 at Golden Circle, Stockholm, Sweden.

Bud Powell / At The Golden Circle Vol.4

5枚に分けられた1962年4月19日と23日のゴールデン・サークルでのライブアルバムの中で、いま一つ気迫に欠ける一枚。マイクのセッティングを途中で変えたのか、ピアノの音が遠い感じのせいもある。ただし、最終曲のOld Devil Moonの入り方が極めてカッコいい。パウエルのディスコグラフィーを見ると、Old Devil Moonを収録しているのは、このアルバムのみ。この一曲に価値のあるアルバム。そして、5枚のジャケットを並べると、Vol.4の煙草に火をつけるパウエルが一番決まっているのだ。

1. Moose The Mooche
2. Star Eyes
3. Blues In The Closet
4. Reets And I
5. John's Abbey
6. Old Devil Moon

Bud Powell - piano
Torbjorn Hultcrantz - bass
Sune Spangberg - drums

Recorded on April 23, 1962 at Golden Circle, Stockholm, Sweden.

Bud Powell / At The Golden Circle Vol.3

バド・パウエルのゴールデン・サークルでの1962年4月のライブ演奏全25曲が、5枚のLPに分散されてリリースされたのは83年頃。5枚から選択する余地なく、まとめ買いした。95年に5枚構成のままで2曲追加しCD化されたが、それぞれを容易に入手できる状況に今はない。Vol.2, 3, 4を半年前に注文したものの、未だに届いていない。仕方なく、Vol.3は中古を探して手に入れた。CD化に際して、なぜにボックスセットにしなかったのだろう。

Vol.1, 2が4月19日、Vol.3, 4, 5が4月23日のライブ演奏。演奏順に収録されているとすれば、23日は18分23秒のSwedish Pastryから始まったことになる。この曲は19日の一曲目にも演奏していて、その時は10分45秒。23日は気合を入れてスタートしたことになる。なお、パウエルのディスコグラフィーとCDジャケット裏記載のデータは、Vol.3は19日となっているが、明らかな間違い。

1. Swedish Pastry
2. I Remember Clifford
3. I Hear Music

Bud Powell - piano
Torbjorn Hultcrantz - bass
Sune Spangberg - drums

Recorded on April 23, 1962 at Golden Circle, Stockholm, Sweden.