Art Blakey / Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk

アート・ブレイキーとセロニアス・モンクとの共演は数多くある。ただし、当然のことであるが、ジャズ・メッセンジャーズ名義のアルバムに、モンクが参加したのはこの1枚のみ。ジョニー・グリフィン作Purple Shadesを除けば、全てモンクの作品。モンクは相手のブレイキーの土俵で相撲をとっても、その土俵を完全に自分の物にしている。

タイトルを「モンクとジャズ・メッセンジャーズ」としたほうが自然であり、ジャケットにも工夫を凝らしていればアルバムの知名度も上がっただろう。当時、モンクはリバーサイドと契約していたので、その辺りの問題があったのかも知れない。

1. Evidence
2. In Walked Bud
3. Blue Monk
4. I Mean You
5. Rhythm-A-Ning
6. Purple Shades
7. Evidence [alternate take]
8. Blue Monk [alternate take]
9. I Mean You [alternate take]

Johnny Griffin - tenor saxophone
Bill Hardman - trumpet
Thelonious Monk - piano
Spanky DeBrest - bass
Art Blakey - drums

Recorded on May 14 & 15, 1957 in NYC.

Art Blakey / A Night In Tunisia [Vik]

1956年5月4日のジャズ・メッセンジャーズ名義での録音を最後に、ホレス・シルバーはメッセンジャーズを去った。最初はHorace Silver And The Jazz Messengersであったが、その後の表記は次の3パターンが使われるようになった。本作は3つ目のパターン。つまり、「アート・ブレイキー所有のジャズ・メッセンジャーズ」。ホレス・シルバーは、どんな思いだったのだろうか。

1. Art Blakey And The Jazz Messengers
2. Art Blakey And His Jazz Messengers
3. Art Blakey's Jazz Messengers

さて、このアルバムはVikレーベルで1957年4月8日録音。リリースは58年2月。ディスコグラフィーによると、ジョニー・グリフィンとジャッキー・マクリーンが揃ってジャズ・メッセンジャーズに参加した唯一のセッション。同じタイトルで、ブルーノートからもリリースされている。そちらの録音は60年8月で、ウェイン・ショーターとリー・モーガンの組合せ。名門レーベルとしては、タイトルを同じにするというミスをしてしまったのだ。

1. A Night In Tunisia
2. Off The Wall
3. Theory Of Art
4. Couldn't It Be You?
5. Evans

Johnny Griffin - tenor saxophone
Jackie McLean - alto saxophone
Bill Hardman - trumpet
Sam Dockery - piano
Spanky DeBrest - bass
Art Blakey - drums

Recorded on April 8, 1957 in NYC.

Art Blakey / The Jazz Messengers

本作の存在は最近まで知らなかった。国内盤が出ていない模様で、ジャズの書籍に掲載されることがほとんどなかったからだろう。それと、タイトルがそのものズバリで気付かなかったせいもある。ハンク・モブレーのアルバムHank Mobley And His All Starsを調べていたら、本作の録音後にホレス・シルバーがメンバーをごっそりと引き連れてジャズ・メッセンジャーズを脱退していたことがわかった。つまり、本作は初代ジャズ・メッセンジャーズの最終アルバムなのである。

脱退前の録音と言うことで、ピリピリした感じがあるかと思っていたが、決してそう言うことはない。見事なアンサンブルを披露している。別テイクを除く全10曲中、モブレー作6曲、シルバー作2曲という構成。シルバーのディスコグラフィーを見たら、本作で自身のNica's Dreamを最初に録音していた。

1. Infra-Rae
2. Nica's Dream
3. It's You Or No One
4. Ecaroh
5. Carol's Interlude
6. The End Of A Love Affair
7. Hank's Symphony
8. Weird-O
9. Ill Wind
10. Late Show
11. Deciphering The Message
12. Carol's Interlude [alternate take]

Hank Mobley - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Horace Silver - piano
Doug Watkins - bass
Art Blakey - drums

Recorded on April 6 & May 4, 1956 at Columbia 30th Street Studio, New York City.