Art Farmer / When Farmer Met Gryce

1954年5月、55年5月の2つのセッションを1つにまとめたアルバム。当然ながら、どちらのセッションにもアート・ファーマーとジジ・グライスが参加。しかし、ピアノ、ベース、ドラムは異なる。ファーマーが2曲(トラック3と8)、残りの6曲はグライスがそれぞれの作品を提供している。ファーマーとグライスの組合せを企画したアルバムと思われるが、なぜに録音に1年の期間を開けてしまったのか。

ジャケットは「やぁ、1年振りだな。セッションの続きをやろうぜ」という感じ。しかし、二人とも同じような出で立ちでオーバーを着ている。5月のセッションなのに。アルバム全体はゆったりしたよい雰囲気だが、謎が解けないアルバムでもある。

1. A Night At Tony's
2. Blue Concept
3. Stupendous-Lee
4. Deltitnu
5. Social Call
6. Capri
7. Blue Lights
8. The Infant's Song

Tracks 1 - 4
Art Farmer - trumpet
Gigi Gryce - alto saxophone
Horace Silver - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on May 19, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 5 - 8
Art Farmer - trumpet
Gigi Gryce - alto saxophone
Freddie Redd - piano
Addison Farmer - bass
Art Taylor - drums
Recorded on May 26, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Art Ensemble Of Chicago / The Third Decade

所有していたLPは輸入盤でライナーノーツはなく、タイトルThe Third Decadeの意味するところを知らなかった。最近購入したCDでは、自分と同世代の熊谷美広(くまがい よしひろ)氏が、AEOC(アート・アンサンブル・オブ・シカゴ)が足掛け3回目のディケイド10年に突入したことを示した作品と解説している。AEOCのメンバーには、こんなに長く続くグループとは思っていなかったということだろうか。

AEOCの聴き方には、一つの作法があるように思う。ブルース、あるいはブルーノート・スケールを基調としたジャズを聴く構えだと、肩透かしを食らってしまう。では、いわゆるフリージャズなのかと言うと、そんなことは決してない。非常に計算された音作りを彼等はやっている。ブラックミュージックと呼ばれるほど、人種に固執した感じもない。ワールドミュージックなのかと言われると、様々なカテゴリーを包括しているとも思えない。あらゆる楽器を使いこなすAEOCミュージックとしか言いようがないのだ。

1. Prayer For Jimbo Kwesi
2. Funky AEOC
3. Walking In The Moonlight
4. The Bell Piece
5. Zero
6. Third Decade

Lester Bowie - trumpet, fluegelhorn
Malachi Favors Maghostut - bass, percussion instruments
Joseph Jarman - saxophones, clarinets, percussion instruments, synthesizer
Roscoe Mitchell - saxophones, clarinets, flute, percussion instruments
Don Moye - drums, percussion

Recorded in June 1984 in Ludwigsburg, Germany.

Art Ensemble Of Chicago / Live In Japan

もう37年前の出来事。1984年4月22日(日)。五反田簡易保険ホール。圧倒的であったことを今でも思い出せる。ジャズという音楽の懐の深さ。「混沌」を視覚的要素で、内ではなく外に向けている。いや、それは表現する「喜び」なのだろう。この時の日本公演は、山形から始まり、東京、横浜、大阪、札幌と廻って、弘前までの7回のコンサートだったようだ。幸運にも自分が足を運んだライブがアルバムになった。

自分が撮った写真を改めて見ると、舞台所狭しと楽器が並び、しかもそれらが装飾されている。メンバーの出で立ちは好き勝手。この統一感がありそうで、そうでもない様態がArt Ensemble Of Chicagoの底力だと強く感じる。この日のライブ演奏を完璧に捉えた2枚組CDを発見したが、完全に廃盤状態。いやぁ、残念。

1. Ornedaruth
2. The Waltz
3. Ol' Time Southside Street Dance
4. Zero
5. Odwalla / Theme

Lester Bowie - trumpet, bass drum
Malachi Favors Maghostut - bass, percussion instruments
Joseph Jarma - saxophones, clarinets, percussion instruments
Roscoe Mitchell - saxophones, clarinets, flute, percussion instruments
Don Moye - drums, percussion

Recorded on April 22, 1984 at Kanihoken Hall, Gotanda, Tokyo.