Bobby Hutcherson / Dialogue

安易に「衝撃的」のような言葉は使いたくないけれど、ボビー・ハッチャーソンのヴィブラフォンとマリンバを主役に置いたこのアルバムは、体内のヒューズが飛んでしまうような電気が流れる。バック(ピアノ、ベース、ドラム)とフロント(ヴィブラフォン、サックス、トランペット)という形態ではなく、アルバムタイトル通り6人による「対話」である。しかも、その対話はかなり謎めいている。発散するわけでなく、収束することもない。浮遊する感じ。

ハッチャーソンの初リーダーアルバムで、アンドリュー・ヒルの作品(トラック1, 3, 5, 6)とジョー・チェンバースの作品(トラック2, 4)で構成されている。プロデューサーのアルフレッド・ライオンがハッチャーソンのデビュー作を入念に企画したのだろう。ジャケットもアルバムのイメージ通りに作り込まれている。

1. Catta
2. Idle While
3. Les Noirs Marchant
4. Dialogue
5. Ghetto Lights
6. Jasper

Bobby Hutcherson - vibraphone, marimba (tracks 3,4,6)
Sam Rivers - tenor saxophone (tracks 1,6) soprano saxophone (track 5), bass clarinet (track 4), flute (tracks 2,3)
Freddie Hubbard - trumpet
Andrew Hill - piano
Richard Davis - double bass
Joe Chambers - drums

Recorded on April 3, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Bob Brookmeyer / Bob Brookmeyer And Friends

プロデューサーのテオ・マセロが凄いメンバーを集め、しかも3日間かけて録音したアルバム。タイトルは『ボブ・ブルックマイヤーと友人たち』であるが、リーダーのブルックマイヤーの知名度が一番低い。2013年12月付けのライナーノーツでも原田和典氏がそう語っている。LPのときは8曲目までで、CD化で3曲が追加。その中にトニー・ベネットが歌ったDay Dreamが含まれている。ベネットの参加はこの1曲のみ。たまたま同じスタジオにいたので、友情参加だったのだろう。だが、不自然なのでベネットとのディスコグラフィーを調べてみた。

1964年5月25日、つまり本アルバムの録音の初日、スタン・ゲッツ、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、エルビン・ジョーンズを従えてDanny Boyを吹き込んでいる。Day Dreamはなぜか見当たらない。さらに、同じメンバーで10月15日にも録音し(5月25日の説もあり)、タイトルTony Bennett, Stan Getz & Friendsでアルバムをリリース(廃盤状態)。つまり、マセロが凄いメンバーを集めたというのは、かなり怪しい。ブルックマイヤーのバルブトロンボーン、ゲッツのテナーサックスという音域の重なる楽器をフロントに配置したのも意図的とは思えない。疑問が残るアルバムではあるが、このメンバーなので演奏は申し分なし。

1. Jive Hoot
2. Misty
3. The Wrinkle
4. Bracket
5. Skylark
6. Sometime Ago
7. I've Grown Accustomed To Her Face
8. Who Cares?
9. Day Dream
10. Time For Two
11. Pretty Girl

Bob Brookmeyer - valve trombone
Stan Getz - tenor saxophone
Gary Burton - vibraphone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Elvin Jones - drums
Tony Bennett - vocals (track 9)

Recorded on May 25, 26 & 27, 1964 at 30th Street Studio, NYC.

Blue Mitchell / Blue's Moods

いやぁ、やっぱりジャズはいいもんだ。そんな気持ちになるのは、このアルバムのようにワンホーンだから。このフォーマットで、どんな表現ができるか。これが、ジャズの本質だと思っている。セッションの中心は管楽器1本にあって、ピアノトリオがそれをしっかりサポートするという形態。ビル・エバンスやキース・ジャレットによるピアノトリオは素晴らしい。だが、集中して聴くことでしか、その本質に迫れない。

ブルー・ミッチェルのような管楽器(トランペット)は、ふわっと心に染み入る。「沁みる」ではなく、「染み入る」にミッチェルの深さがある。ミッチェルの「青」が染み込んでくる感じだ。選曲よし、曲順よし、ジャケットもまずまずよし。ジャズ研時代、吸っている煙草を楽器に挟むのが流行った。ミッチェル作のKinda VagueやSir Johnも捨てがたい。そして、ずっと思っているのが、このJohnとは誰なのだろうか。

1. I'll Close My Eyes
2. Avars
3. Scrapple From The Apple
4. Kinda Vague
5. Sir John
6. When I Fall In Love
7. Sweet Pumpkin
8. I Wish I Knew

Blue Mitchell - trumpet, cornet
Wynton Kelly - piano
Sam Jones - bass
Roy Brooks - drums

Recorded on August 24 (tracks 5, 6 & 8) & 25 (tracks 1-4 & 7), 1960 at Plaza Sound Studios, NYC.