Cannonball Adderley / Portrait Of Cannonball

不覚にも、このアルバムの存在は最近まで知らなかった。名盤Somethin' Elseの4ヶ月後の録音で、その後に録音されたアルバムを追いかけるのは、キャノンボールではなくマイルスに集中し過ぎたのかも知れない。このアルバムの最大のポイントはNardisの収録だろう。「マイルスはキャノンボールの新しい門出を祝し、このセッションのために印象深い〈ナーディス〉を書いた」とライナーノーツに記載されている。だが、この曲の真髄を捉えたのはセッションに参加したビル・エバンスだった。

エバンスが演奏するNardis*に耳が馴染んでしまったので、このアルバムでのキャノンボールの演奏には物足りなさを感じてしまう。マイルスからケチが付いたのか、キャノンボールは二度とNardisを演奏することはなかった。

* 所有するエバンスのアルバムの中でNardisが収録されているのはExplorations / The Solo Sessions Vol.1 / The Bill Evans Trio Live / At The Montreux Jazz Festival / The Paris Concert Edition Twoの5枚。

1. Minority [original issued]
2. Minority [take 2]
3. Minority [take 3]
4. Straight Life
5. Blue Funk
6. A Little Taste
7. People Will Say We're In Love
8. Nardis [take 5]
9. Nardis [take 4]

Cannonball Adderley - alto saxophone
Blue Mitchell - trumpet
Bill Evans - piano
Sam Jones - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on July 1, 1958 at Reeves Sound Studio, NYC.

Cannonball Adderley / Alison's Uncle

名盤Somethin' Elseの姉妹品のようなアルバム。Somethin' Elseから落ちた曲Alison's UncleとオリジナルにあるAutumn Leavesの2曲を無理矢理1枚のアルバムにしてしまった。2曲のみで45回転LP。今では考えられない企画で、アルバム化されなかった音源を発掘するのが1980年代に流行となった。このアルバムが発売されたのは1983年末。

しかも、キャノンボール・アダレイの作品として紹介されたAlison's Uncleは、実はハンク・ジョーンズのBangoonという作品であったことが後に判明。発売元の東芝EMIから謝罪文がでたかどうかは知らない。以下はライナーノーツから抜粋。

「このほどブルーノートの日本販売権を獲得した東芝EMIのスタッフがアメリカに飛んで調査したところ、なんと1曲とはいえ、『サムシン・エルス』とまったく同じメンバーで、しかも同年同月同日にレコーディングされていた未発表演奏が発見された。〈中略〉この曲はレコーディングの直前にキャノンボールの弟ナット・アダレイの子供が生まれ、アリソンと名付けられたところから、キャノンボール自ら『アリソンのおじさん』と命題したもの」。恐らく女性であるこのアリソンは今年63歳になったが、十字架を背負って生きているのであろうか?

1. Alison's Uncle
2. Autumn Leaves

Cannonball Adderley - alto saxophone
Miles Davis - trumpet
Hank Jones - piano
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums

Recorded on March 9, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Cannonball Adderley / Somethin' Else

大学時代、このアルバムを聴きながら、ジャズ研の仲間と何度ジャズの議論をし、何度酔っ払い、何度つぶれたか。何の議論をしていたのかほとんど忘れてしまったが、「ベーシストはベースラインを弾くのは当たり前で、それ以上に曲全体とメンバーをどうまとめるかを考えろ!」と先輩が熱く語っていたことを思い出す。つまり、Somethin' Elseを生み出すのがジャズなんだと言っていたのだろう。

さて、本アルバムについては、どの解説にもキャノンボール・アダレイ名義だが、実質的にはマイルスが統制を執っている、と書いている。実際にそうだったのだろう。だが、ラスト曲Dancing In The Darkでは、マイルスは参加していない。マイルス・デイビス自叙伝①の346ページにこう書いてある。『ニューヨークに帰ると、ブルーノートと契約したキャノンボールのレコーディングが待っていた。奴がオレにも加わって欲しいと言うから、友情として付き合った。「サムシング・エルス」というレコードで、なかなか良かった』。マイルスの発言が真実であるとすれば、単なる友情出演のアルバムなのだ。

1. Autumn Leaves
2. Love For Sale
3. Somethin' Else
4. One For Daddy-O
5. Dancing In The Dark

Cannonball Adderley - alto saxophone
Miles Davis - trumpet (except track 5)
Hank Jones - piano
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums

Recorded on March 9, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.