Charles Mingus / Mingus At Carnegie Hall

糖尿病を乗り越え復帰した1972年2月録音のFriends In Concertは、企画モノで商業的なアルバム。73年10月録音のMingus Movesは、ミンガス節が出ているのだが毒気はまだなかった。そして、74年1月録音の本作によってミンガスは完全に復帰した。それを支えたのは、このセッションに参加したミュージシャン達。なかでも盲目のサックス奏者ローランド・カークは大熱演。

ジャケットを見ても、「コンポーザーと言われる時もあるけど、オレはベーシストだからね」という主張が伝わってくる。ジャズが本来持っているエネルギーを感じるアルバム。LPのライナーノーツは、76年3月に31歳で死去した中野宏明氏が担当。ミンガスを「怒りや笑いといった人間の直接的感情に基づく音楽の場を作りだす」と書いている。名著『ジャズはかつてジャズであった』を遺した中野氏らしい表現。

1. C Jam Blues
2. Perdido

George Adams - tenor saxophone
John Handy - tenor saxophone, alto saxophone
Rahsaan Roland Kirk - tenor saxophone, stritch
Charles McPherson - alto saxophone
Hamiet Bluiett - baritone saxophone
Jon Faddis - trumpet
Don Pullen - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums

Recorded on January 19, 1974 at Carnegie Hall, NYC.

Charles Mingus / Mingus Moves

CD帯から抜粋。「ほぼ10年ぶりに古巣のアトランティックへ戻ったミンガスの、メンバーを一新したクインテットによる演奏。ジョージ・アダムス、ドン・ピューレンいう強力メンバーにくわえ、ドラマーのダニー・リッチモンドも復帰。〈ジャズ・ワークショップ〉を思わせる充実したサウンドが耳にできる」。

確かに「充実したサウンド」でミンガス節が表れているのだが、毒気がない。決して丸くなったとは言わないものの、ピリピリとした感覚がない。その理由の一つとして、1曲のみではあるもののボーカルを入れた必然性が感じられないからだ。タイトルMingus Moves通りに、ミンガスは何かを変えようしたのかも知れないが、そのコンセプトが明確ではなく、中途半端に仕上げてしまった感じ。ジャケットのミンガスも、少しうつむき加減。そんな中にあって、ピューレンのピアノがアルバム全体に緊張感を漂わせている。

1. Canon
2. Opus 4
3. Moves
4. Wee
5. Flowers For A Lady
6. Newcomer
7. Opus 3
8. Big Alice
9. The Call

George Adams - tenor saxophone, flute
Ronald Hampton - trumpet
Don Pullen - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums
Doug Hammond - vocals (track 3)
Honey Gordon - vocals (track 3)

Recorded on October 29, 30 & 31, 1973.

Charles Mingus / Charles Mingus And Friends In Concert

体調を崩し60年代後半から半引退状態だったミンガスが、自伝出版を機に開催した復帰コンサート。多くのミュージシャンがミンガスの背中を押すように集まった。一回限りのコンサートながら、オーケストラは入念なリハーサルをやったようだ。ミンガスはその友情に応えるよう、これを機に精力的にアルバムを発表していった。ミンガス復活のトリガーとなったコンサートである。

2枚組LPのときは全10曲。最近購入した2枚組CDはMCによるイントロダクション3つを含み全17曲。ライナーノーツで、原田和典氏がほぼ完全版と評している。「ほぼ」が付くのは、LPの冒頭に入っていたHoneysuckle RoseがCDでは割愛されてしまったからだ。4分50秒の曲なので、MCの部分を工夫すれば、なんとかできたに違いない。悠雅彦氏によるLPのライナーノーツでは、明確なスコアがなかった曲とある。コンサートの直前に急遽演奏することにしたのだろう。確かに出来は良くない。iTunesではこの曲のみをDisc 3にして組み入れた。

Disc 1
1. Introduction by Bill Cosby
2. Jump Monk
3. E.S.P.
4. Ecclusiastics
5. Eclipse
6. Us Is Two
7. Taurus In The Arena Of Life
8. Mingus Blues
9. Introduction To Little Royal Suite by Bill Cosby
10. Little Royal Suite

Disc 2
1. Introduction To Strollin' by Bill Cosby
2. Strollin'
3. The I Of Hurricane Sue
4. E's Flat, Ah's Flat Too
5. Ool-Ya-Koo
6. Portrait
7. Don't Be Afraid, The Clown's Afraid Too

Jon Faddis, Lonnie Hillyer, Lloyd Michaels, Eddie Preston - trumpet
Eddie Bert - bass trombone
Richard Berg, Sharon Moe - French horn
Robert Stewart - tube
Howard Johnson - tuba, bass saxophone
James Moody - flute
Lee Konitz, Charles McPherson, Richie Perri - alto saxophone
Gene Ammons, George Dorsey - tenor saxophone
Bobby Jones - tenor saxophone, clarinet
Gerry Mulligan - baritone saxophone
John Foster, Randy Weston - piano
Milt Hinton - bass
Charles Mingus - bass, arranger
Joe Chambers - drums
Dizzy Gillespie, Honey Gordon - vocal
Bill Cosby - vocals, announcement
Sy Johnson - arranger
Teo Macero - arranger conductor

Recorded on February 4, 1972 at Philharmonic Hall, Lincoln Center, NYC.