Art Farmer / To Duke With Love

イースト・ウィンド・レーベル設立40周年記念。2015年2月に生産限定盤で再リリースされたCD。限定であったにもかかわらず、一年半経ってもアマゾンで新品を購入できた。マーケティングに失敗したということよりも、音楽はCDやレコードといった媒体で購入するのではなく、ダウンロードする時代になったということだろうか。そして、7年経った今でも新品が流通している。ジャズのポテンシャルの問題と捉えた方がよさそうだ。

本作は、1974年5月24日に他界したデューク・エリントンの追悼盤。いかにも日本人の企画である。CD帯にはこう書かれている。「まろやかな音色を持つ人気トランペッターが、シダー・ウォルトン・トリオと共に、録音の前年に亡くなったデューク・エリントンを偲んで録音した追悼作。〈スイングしなけりゃ意味がない〉をはじめ、エリントンの代表曲を収録」。これは間違いではないが、アート・ファーマーは全曲フリューゲルホーンを吹いているのだ。

1. In A Sentimental Mood
2. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
3. The Star Crossed Lovers
4. The Brown Skin Gal In The Calico Gown
5. Lush Life
6. Love You Madly

Art Farmer - flugelhorn
Cedar Walton - piano
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on March 5, 1975 at Blue Rock Studio, NYC.

Charles Mingus / Me, Myself An Eye

1978年1月18,19,23日に、「ミンガスとその仲間たち」的な大規模セッションが録音された。その時の様子が、アトランティックから2枚のアルバムSomething Like A BirdとMe, Myself An Eyeに分割されてリリース。このセッションでのミンガスの役割は、ジャケット裏面にある写真のように総括監督の立場。ウッドベースを弾く事もできず、かといって指揮棒を振ることもできなかったようだ。CDのライナーノーツには、ミンガスは筋萎縮性側索硬化症(別名:ルー・ゲーリッグ病)と診断されたと書いてある。

車椅子に乗って、レコーディングの進行を確かめていたのだろう。3日間の録音を終え、その1年後の79年1月5日にミンガスは亡くなった。ここでは、ミンガスのベース弦の音を聴くことはできないが、ジャズと言う音楽を通して、ベースという楽器を通して、彼が闘ってきた足跡を感じ取ることができる。

1. Three Worlds Of Drums
2. Devil Woman
3. Wednesday Night Prayer Meeting
4. Carolyn "Keki" Mingus

Mike Davis - trumpet
Randy Brecker - trumpet (tracks 2-4)
Jack Walrath - trumpet, arranger
Jimmy Knepper, Keith O'Quinn - trombone
Lee Konitz, Yoshiaki Malta, Akira Ohmori - alto saxophone
Ken Hitchcock - alto saxophone, soprano saxophone
Daniel Block, Ricky Ford, John Tank - tenor saxophone
Michael Brecker - tenor saxophone (tracks 2-4)
Pepper Adams, Ronnie Cuber, Craig Purpura - baritone saxophone
Bob Neloms - piano
Larry Coryell, Ted Dunbar, Jack Wilkins - guitar
Danny Toan - guitar (track 1)
Eddie Gomez - bass
Joe Chambers, Dannie Richmond - drums
Charles Mingus - composer, arranger
Paul Jeffrey - arranger, conductor

Recorded on January 19 & 23, 1978 at Atlantic Studios, New York, N.Y.

Charles Mingus / Lionel Hampton Presents The Music Of Charles Mingus

LPはライオネル・ハンプトンが創設したレーベルWho's Who In Jazzからリリースされた。1983年8月20日の日付で、ライナーノーツを安原顯氏が書いている。ミンガスのアルバムならば、全て手に入れようと思っていた時期に中古LPで購入した記憶がある。CDにはなっていないだろうと諦めていたが、LPのタイトルLionel Hampton Presents The Music Of Charles MingusからThe Music Ofを省いてリリースされていることを発見。ジャケットも刷新されていた。

ライオネル・ハンプトンがミンガス・ミュージックを集大成したアルバム。編曲は全てサックス奏者のPaul Jeffrey(ポール・ジェフリー)。録音は1977年11月6日。79年1月5日に他界したミンガスは、まともにベースを弾ける状態ではなかったはず。だが、ハンプトンから「ミンガス、もっとジャズやろうぜ!」と提案があったに違いない。地を這うミンガスのベースを聴くことはできないし、渋みの強い柿が焼酎に入れて甘くされたしまった感じなのだが、ミンガス・ミュージックのエッセンスは詰まっている。CDラベルのミンガスがかっこいいのだ。

1. Just For Laughs - Part 1
2. Peggy's Blue Skylight
3. Caroline Keikki Mingus
4. Slop
5. Just For Laughs - Part 2
6. Fables Of Faubus
7. Duke Ellington's The Sound Of Love
8. Farewell, Farwell
9. So Long Eric
10. It Might As Well Be Spring

Ricky Ford - tenor saxophone
Paul Jeffrey - tenor saxophone
Gerry Mulligan - baritone saxophone
Woody Shaw - trumpet
Jack Walrath - trumpet
Peter Matt - French horn
Lionel Hampton - vibraphone
Bob Neloms - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums

Recorded on November 6, 1977 in NYC.