Don Cherry / Eternal Rhythm

邦題は「永遠のリズム」。これまで何の疑いもなく、この直訳を受け入れてきたのだが、国内盤中古CDを手に入れてイメージを新たにした。「永遠の鼓動」ではないだろうか。リズムとは肉体的なもので、鼓動とは精神的なもの。1968年11月はじめ、ベルリン・ジャズ・フェスティバルのステージでドン・チェリーのグループは大成功を収めた。その直後、スタジオ録音したアルバム。となると、そのライブを聴きたくなるのだが、今のところ、その音源は発掘されていないようだ。

このアルバムは、「フリージャズ」という定義の中に収められている。しかし、決して「無秩序」ではない。何らかの約束事のもとに、演奏が進行していく。この「約束事」を感じ取ることができた瞬間、フリージャズ的ジャズが面白くなる。

1. Eternal Rhythm Part I
a. Baby's Breath
b. "Sonny Sharrock"
c. Turkish Prayer
d. Crystal Clear (exposition)
e. Endless Beginnings
f. Baby's Breath (unaccompanied)
2. Eternal Rhythm Part II
a. Autumn Melody
b. Lanoo
c. Crystal Clear (Development)
d. Screaming J
e. Always Beginnings

Don Cherry - cornet, gender and saron (gamelan), Bengali, flute in A, bamboo flute in C, metal flute in B flat, plastic flute in C, Haitian Guard, Northern Bells, voice
Albert Mangelsdorff - trombone
Eje Thelin - trombone
Bernt Rosengren - tenor saxophone, oboe, clarinet, flute
Sonny Sharrock - guitar
Karl Berger - vibraphone, piano, gender (gamelan)
Joachim Kühn - piano, prepared piano
Arild Andersen - bass
Jacques Thollot - drums, saron (gamelan), gong, bells, voice

Recorded on November 11 & 12, 1968 in Berlin.

Don Cherry / Symphony For Improvisers

国内盤LPでは、そのものずばり「即興演奏家のためのシンフォニー」とタイトルが付けられた。しかし、よく考えると中途半端である。「即興演奏家のための交響曲」とすべきだろう。さらによく考えると、「交響曲」は多楽章からなる管弦楽曲で、3楽章か4楽章が一般的。このアルバムは2楽章で構成。それ以上に、交響曲が即興で成立するのかという根本的な問題があるのだが…。

そんな理屈は抜きにして、フロント陣が強力であることを今さらながら感じる。ドン・チェリー、ガトー・バルビエリ、ファラオ・サンダース。ベースが2本で、ヴァイブが緊張感を生み出す。要となるのが、エド・ブラックウェルのドラム。ブルーノート・レーベルからのリリースであることにも価値がある。

1. Symphony For Improvisers, Nu Creative Love, What's Not Serious, Infant Happiness
2. Manhattan Cry, Manhattan Cry, Lunatic, Sparkle Plenty, Om Nu

Don Cherry - cornet
Gato Barbieri - tenor saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone, piccolo
Karl Berger - vibraphone, piano
Henry Grimes - bass
Jenny Clark - bass
Edward Blackwell - drums

Recorded on September 19, 1966 at Rudy Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey.

Don Cherry / Complete Communion

2つの組曲で構成。それぞれ20分38秒と19分36秒。曲名が付けられた4曲が連続し、各組曲が成り立っている。曲想が大きく転化するのではなく、視点を切り替えていく感じ。ある「塊」に対して視点を変えていき、360度回転して元の位置に戻る。回転軸を決めるのがベース、角速度を制御するのがドラム。

そんなイメージであるが、実態は分からない。ドン・チェリーとガトー・バルビエリが、ベースとドラムに素直に従うとは思えないからだ。注意深く聴くと、4人は見事に反応し合っている。完璧なスコアがあったとは思えないが、曲の進行を示す詳細なスケッチはあったのだろう。だからこそ、LPの片面ずつに収まる演奏時間なのだ。用意周到なフリージャズである。

1. Complete Communion:
 - Complete Communion
 - And Now
 - Golden Heart
 - Remembrance
2. Elephantasy:
 - Elephantasy
 - Our Feelings
 - Bishmallah
 - Wind, Sand And Stars

Don Cherry - cornet
Leandro "Gato" Barbieri - tenor saxophone
Henry Grimes - bass
Edward Blackwell - drums

Recorded on December 24, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.