Eric Dolphy / Outward Bound

このアルバムを最初に聴いたのは、大学のジャズ研時代、少なくとも週に1度は通っていた中野駅北口のジャズ喫茶『ビアズレー』だったような気がする。2曲目のOn Green Dolphin Streetにぶっ飛んだ。それまでに聴いてきた、もしくは自分でベースを演奏してきたグリーン・ドルフィンとは全く異なる音空間。エリック・ドルフィーを追いかけるきっかけになった曲である。

清水俊彦著『ジャズ・ノート』では、このアルバムを「ドルフィーのさまざまなパワーの文句なしのデモンストレーションになっている」と評している。まさにその通り。かつて、このアルバムには邦題が付いていて『惑星』だった。ジャケットからのイメージと想像するが、悪くはない。しかしながら、初リーダー、演奏内容、ジャケットから『彗星』としてみたい。1960年に彗星の如くジャズ界に現れ、64年6月に帰らぬ人となったドルフィー。

1. G.W.
2. On Green Dolphin Street
3. Les
4. 245
5. Glad To Be Unhappy
6. Miss Toni

Eric Dolphy - flute (track 5), bass clarinet (tracks 2,6), alto saxophone(tracks 1,3,4)
Freddie Hubbard - trumpet (except track 5)
Jaki Byard - piano
George Tucker - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on April 1, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Elvin Jones / Love And Peace

エルビンとマッコイ、そしてファラオ・サンダースとなれば、当然ながらコルトレーンへと繋がっていく。LPでは野口久光氏が「待望の3巨人が一堂に会して〈コルトレーン・ジャズ〉のスピリットを80年代によみがえらせた」と。そして、CDでは鈴木哲夫氏が「コルトレーンのスピリッツを踏襲した傑作」と評価している。そうかもしれない。でもなんとなく、そういう意識を持って聴けよ!と言っているような気がしてならない。

日本で企画されたアルバムで、コンセプトの詳細はエルビンにある程度一任したのではないだろうか。エルビンはLove And Peaceという自身が常に思い描いてきたイメージでアルバムを作ろうとした。なので、ここにコルトレーンがいるとは思えない。コルトレーンを引き合いに出した野口氏と鈴木氏は、それぞれが自分の過去を引きずっているのだ。ジャケットに写ったエルビンとマッコイは、まるで成り上がり。なぜに、こんな写真をジャケットに採用したのか。演奏は最高、ジャケットは最低。

1. Little Rock's Blues
2. Hip Jones
3. Korina
4. For Tomorrow
5. Sweet And Lovely
6. Origin

Pharoah Sanders - tenor saxophone (except track 5)
Jean-Paul Bourelly - guitar (except track 5)
McCoy Tyner - piano
Richard Davis - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on April 13 & 14, 1982 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Elvin Jones / Live At The Lighthouse Vol.2

エルビンは1927年9月9日生まれ。つまり、本作はエルビンのバースデーライブだった。しかも、その日は土曜日。翌日の事は気にせず、観客は十分に楽しんだのだろう。後藤雅洋氏がライナーノーツの最後でコルトレーンとエルビンの関係について次のように書いている。

「今回通して聴き直してみて改めて思ったことは、最晩年のコルトレーンの音楽にエルビンが着いて行けなかった理由がかなり明確に見えてきたことだ。それは、エルビンの音楽が持つ良い意味での快楽的要素が、最晩年のコルトレーンには決定的に欠けていたと言う事実である」。なるほど。快楽的と書いてしまうと誤解されることもあるだろうけど、最晩年のコルトレーンが「音」を楽しんでいた、つまり「音楽」をやっていたとは思えないのだ。

1. Introduction - Happy Birthday Greeting
2. Sweet Mama
3. I'm A Fool To Want You
4. The Children, Save The Children
5. Brite Piece
6. The Children's Merry-Go-Round March

Steve Grossman - tenor saxophone, soprano saxophone
Dave Liebman - tenor saxophone, soprano saxophone, flute
Gene Perla - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on September 9, 1972 at Lighthouse Cafe, Hermosa Beach.