Wynton Kelly / Piano

このアルバムのタイトルはPiano。しかし、国内盤はWhisper Notとしている。Pianoではアルバムのイメージが伝わらないということだったのだろう。だが、1曲目のWhisper Notを単にタイトルにしたことで、日本人スタッフの手抜きが、よく伝わってしまう。本作は、ウィントン・ケリーとケニー・バレルのコンビネーションが最大の聴きどころ。Pianoがだめなら、Kelly & Burrellのようなタイトルが適していたはずだ。

それよりも、重要なのはフィリー・ジョー・ジョーンズが前半の4曲にしか参加していないこと。ネット上で、セッションに遅刻したという情報を見つけたが、その根拠は示されていない。当然のことながら、プロデューサーであるオリン・キープニュースによる英文ライナーノーツには、そのことには何も触れていない。もし、遅刻ならば、それはプロデューサーの責任でもある。アルバム全体を通して聴くと、ドラムレスの後半4曲はバレルのギターがリズムを見事にキープ。そもそも、Pianoというタイトルに無理があったような気がする。

1. Whisper Not
2. Action
3. Dark Eyes
4. Dark Eyes [take 2]
5. Strong Man
6. Ill Wind
7. Don't Explain
8. You Can't Get Away

Kenny Burrell - guitar
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums (tracks 1-4)

Recorded on January 31, 1958 in NYC.

World Saxophone Quartet / Moving Right Along

WSQ(ワールド・サキソフォン・カルテット)の1993年10月録音アルバム。CD帯から。「WSQ通算11枚目のアルバム! ハミエット・ブルイエット、デヴィッド・マレイ、オリヴァー・レイク、エリック・パーソンという鉄壁の4人に加え、ゲストにフレディ・ハバードの懐刀ジェイムズ・スポルティングが加わった最強のアルバム!」。

鉄壁や最強という言葉と2度もビックリマークが付いている。しかし、このアルバムのポイントはAmazing Graceとコルトレーン作Giant Stepsを収録したこと。それまで、WSQは自分達の作品をサックスだけで表現してきた。本作では、古典的な曲を組入れることに挑戦したアルバムであることが重要。その新鮮さが現れているのだが、中途半端に終わってしまった感じ。徹底的にスタンダード曲に拘るとか、ゴスペル曲だけで貫き通していれば、WSQのポテンシャルは非常に上がったのではないかと思う。

1. Antithesis
2. Baba 2
3. N.T.
4. Astral Travels
5. Land Of Mystery
6. Movin' On
7. Amazing Grace Part I
8. Giant Steps
9. Urban
10. Sharrod
11. M.I.L.D.
12. Lightning And Thunder
13. Amazing Grace Part II

David Murray - tenor saxophone, bass clarinet
Oliver Lake - alto saxophone, soprano saxophone
Eric Person - alto saxophone, soprano saxophone
Hamiet Bluiett - baritone saxophone, contralto clarinet
James Spaulding - alto saxophone (tracks 11,12)

Recorded on October 18 & 19, 1993 at Sear Sound, New York.

World Saxophone Quartet / Live In Zurich

ライナーノーツはLeonard Feather(レナード・フェザー)が担当。CDには原文、LPにはその翻訳文が載っている(訳者は不明)。その中で、フェザーはジュリアス・ヘンフィルのコメントを引き合いに出している。「われわれはもう互いにかなり良く知り合っているので、リスナーにとってはどこで譜面に書かれたパッセージが終わり、どこからアドリブが始まるのか言い当てるは難しくなっている。どんな演奏会においても、われわれが演奏するものの60%から70%は即興といっていいと思う」。

これはかなり驚異である。ドラムもベースもない管楽器4本だけの演奏で、アドリブを中心に展開していくには、ヘンフィルが言うようにメンバー間の関係が強固でないと成り立たないだろう。YouTubeで彼らのライブステージを見ることができた。4人のそれぞれの前に譜面が置かれているが、譜面を見ているのは、演奏の最初と最後だけのようだった。

1. Hattie Wall
2. Funny Paper
3. Touchic
4. My First Winter
5. Bordertown
6. Steppin'
7. Stick
8. Hattie Wall

David Murray - tenor saxophone, bass clarinet
Julius Hemphill - alto saxophone, tenor saxophone, flute
Olivier Lake - alto saxophone, tenor saxophone, soprano saxophone, flute
Hamiet Bluiett - baritone saxophone, flute, clarinet

Recorded on November 6, 1981 in Zurich, Switzerland.