シーラ・ジョーダンは現在93歳。自分は聴くチャンスを逸したが、2015年暮れ、87歳のときには来日公演を果たしている。2008年までに20枚のリーダーアルバムを世に送り込んだ。そして、本作が彼女のデビューアルバム。1962年9月と10月の録音。ギター、ベース、ドラムのトリオを従えて、クールに歌う。ギターとのデュオ、ベースとのデュオもあり、アルバムとしての構成が見事。ジャケットも印象的。
彼女は、1952年にデューク・ジョーダンと結婚。ならば、タイトルを「シーラとデューク」にして、夫のピアノだけのバックでシーラの歌声を聴かせるアルバムを安易に思い付いてしまうのだが…。しかし、本作の録音前だろう、デュークの薬物使用により、二人は1962年に離婚しているのだ。二人の間には、娘が55年に生まれたとのことで、シングルマザーとして、そしてプロのジャズボーカリストとしての新たな決意を感じるアルバム。ジャケットの横顔からも。
1. Falling In Love With Love
2. If You Could See Me Now
3. Am I Blue
4. Dat Dere
5. When The World Was Young
6. Let's Face The Music And Dance
7. Laugh, Clown, Laugh
8. Who Can I Turn To
9. Baltimore Oriole
10. I'm A Fool To Want You
11. Hum Drum Blues
12. Willow Weep For Me
Sheila Jordan - voice
Barry Galbraith - guitar
Steve Swallow - bass
Denzil Best - drums
Recorded on September 19 and October 12, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.