Shannon Jackson / Street Priest

清水俊彦の著書『ジャズ転生』では、1980年代のジャズを鋭く批評しているのだが、その第1章でこのアルバムが登場する。

「80年代に入って、アメリカ黒人の創造的音楽は、オーネット・コールマンのハーモロディック理論を主要な跳躍台として、ラディカリズムへの一つの突破口を開いた。フリー・ファンクと呼ばれる動きだが、そのなかで成功と独創性をフルに体現しているのがロナルド・シャノン・ジャクソンである。〈中略〉このバンドは、リーダー(ジャクソン)のドラム奏法の卓越さと即興性と作曲力を反映している」と始まり、「ヴァイオレンスにおいてこれほど浄化的に、リリシズムにおいてこれほど物悲しくサウンドするバンドを、ぼくはまだ聴いたことがない」と締め括る。

調和/不調和をごちゃ混ぜしたこんな音楽を、ジャクソンは40年以上前に演奏していた。その頃、ミュージシャンは、表現の自由を追い求めていたに違いない。そして、ジャクソンは1987年12月に坂田明のアルバム『蒙古』に参加。だが、2013年10月に73歳で惜しくも逝ってしまった。ちなみに、本作の中古CDは74,733円で取引されている。それだけ価値が高いアルバム。自分には手を出せないが。

1. Street Priest
2. Sperm Walk
3. City Witch
4. Sandflower
5. Hemlock For Cordials
6. Chudo Be

Lee Rozie - saxophone
Zane Massey - saxophone
Vernon Reid - electric guitar
Reverend Bruce Johnson - electric bass
Melvin Gibbs - electric bass
Ronald Shannon Jackson - drums

Recorded on June 13, 14, 15 & 16, 1981 at Studio Nord, Bremen.

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