宗教的色彩の強いアルバムと言われている。確かに、ジャケットも特異であり、曲の始まりと終わりに念仏の如く「オーム」と唸る場面が出てくる。曲そのものは調和された世界を描いていて、決してフリーではない。全体調和の中での自由な演奏である。だからこそ、予定通りのタイミングに「念仏」なのである。
LPでは見開きジャケットの中に、Nat Hentoff(ナット・ヘントフ)による長文の解説が載っている(CDでも同様だが、あまりにも文字が小さすぎてルーペを使っても読み取れない)。その一部をGoogle翻訳の力を借りて訳してみた。
In one sense, OM is, in Hindu religion, the mystic equivalent of the name of the Deity. It also connotes for some believers absolute goodness and truth - the essence of spirituality.
ある意味、ヒンドゥー教でのOMは神の名と神秘的に同等である。それはまた、信者にとって絶対的な善と真実、つまり霊性の本質を暗示している。
As John Coltrane pointed out during a conversation about this album, "OM means the first vibration - that sound, that spirit which set everything else into being. It is The Word from which all men and everything else comes, including all possible sounds that man can make vocally. It is the first syllable, the primal word, the word of Power."
ジョン・コルトレーンは、このアルバムについて会話の中でこう指摘した。「OMは重要な感覚的反応を意味している。あらゆるものが存在する響きや精神なのだ。すべての人とあらゆるものから発せられる言葉で、人の声による響きも含んでいる。それは重要な音節であって、原始的な言葉、神の力をもつ言葉なのだ」。
ちなみに、LPではA面がOM (Part 1)、B面がOM (Part 2)と別れていたが、CDではOMの1曲のみ。28分58秒。
1. OM
John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
Donald Rafael Garrett - bass clarinet
Joe Brazil - flute
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums
Recorded on October 1, 1965 at Camelot Sound Studios, Lynwood, Washington.