コルトレーンは変貌を続け新たな極致を築いたからこそ、この時代のトレーンのアルバムが評価されていると言い切りたい。そうでないとすれば、残念ながら退屈なアルバムである。1曲1曲は味わい深いが、全体としては平坦で抑揚がない。コルトレーンを含めた4人は何も冒険していない。
Settin' The Paceはどう訳せばよいのだろうか。イディオムでは「先導していく」、「歩調を定める」らしいのだが、どうもしっくりしない。「プレスティッジからは、どんどん録音するからと言われるけど、自分らしいペースでやりたいんだ」とトレーンは言ったらしい。全くの想像。
1. I See Your Face Before Me
2. If There Is Someone Lovelier Than You
3. Little Melonae
4. Rise 'N' Shine
5. By The Numbers
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums
Recorded on March 26, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.