Miles Davis / Black Beauty

「エレクトリック・マイルス」-「ウェイン・ショーター」=「緊張感の崩れ」。ショーター脱退のあとに、スティーブ・グロスマンを入れたことで、マイルスグループから緊張感が消え去ってしまった。決して、グロスマンに責任があるのではなく、マイルスのミスキャスト。さらに、チック・コリアにはマイルスが抱いている曲のイメージを具現化する力はない。マイルスはサウンドを完成することより、粗削りでもいいから演奏することに集中した。つまり、マイルスは焦っていたのだ。

マイルスは自分が描いているグループサウンドには、まだまだ遠いことを分かっていたはず。それが故に前へ進まなければなかった。レコード会社からの圧力ではなく、ロック野郎達には負けられないという闘争心があったから。このアルバムは、リズムや緊張感を感じるのではなく、マイルスの闘争心に波長を合わせなければならない。なお、2枚組LPのときは、Black Beauty - Part I,II,III,IVとなっていたが、CD化で計9曲に曲名が付与された。

LP
1. Black Beauty - Part I
2. Black Beauty - Part II
3. Black Beauty - Part III
4. Black Beauty - Part IV

CD - Disc 1
1. Directions
2. Miles Runs The Voodoo Down
3. Willie Nelson
4. I Fall In Love Too Easily
5. Sanctuary
6. It's About That Time

CD - Disc 2
1. Bitches Brew
2. Masqualero
3. Spanish Key / The Theme

Miles Davis - trumpet
Steve Grossman - tenor saxophone, soprano saxophone
Chick Corea - Fender Rhodes electric piano
Dave Holland - electric bass
Jack DeJohnette - drums
Airto Moreira - percussion, cuica

Recorded on April 10, 1970 at The Fillmore West, San Francisco.

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