Miles Davis / Nefertiti

マイル自叙伝②では、このアルバムについて3行程度しか書かれていない。それよりも、1967年6月から7月までの4回のセッション期間中に亡くなったコルトレーンについて多くを語っている。そこからの抜粋。「1967年の7月にジョン・コルトレーンが死んで、みんなを大混乱に陥れた。トレーンが死ぬなんて、誰も考えていなかったから、大変なショックだった。〈中略〉トレーンの音楽と、彼が最後の2,3年前にしていた演奏は、多くの黒人にとって、特に黒人の若い知識層や革命論者の間では、彼らが感じていた炎、情熱、激情、怒り、反抗と愛情を代弁するものだった」。

本アルバムの別テイクを除く6曲の半分は、コルトレーンの亡くなった2日後の録音である。マイルス以外のメンバーが、コルトレーンの死に関してどういう思いがあったのかは分からないが、少なくともマイルスは深い悲しみの中でセッションに臨んだはずだ。従って、本作の正確な録音データは重要である。Fall, Riot, Pinocchioの3曲からは、マイルスの悲しみを感じてしまう。

1. Nefertiti
2. Fall
3. Hand Jive
4. Madness
5. Riot
6. Pinocchio
7. Hand Jive [first alternate take]
8. Hand Jive [second alternate take]
9. Madness [alternate take]
10. Pinocchio [alternate take]

Miles Davis - trumpet
Wayne Shorter - tenor saxophone
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on June 7 (track 1), 22 (tracks 3, 7 & 8), & 23 (tracks 4 & 9) and July 19 (tracks 2, 5, 6 & 10), 1967 at Columbia 30th Street Studio, NYC.

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