Miles Davis / 'Round About Midnight

3回のセッションをまとめたアルバム。1955年10月26日から、ちょうど1年後までの録音は次のようになる。本作はコロンビアからリリース。他の4枚はプレスティッジ。そして、本作の録音は秘密裏だったことが、マイルス自叙伝①に書かれている。タイトル曲'Round Midnightに重きが置かれるアルバムであるが、イチオシはラストのDear Old Stockholmで、マイルスのミュート・トランペットに曲想のイメージを膨らんでいく。

1955.10.26 - 'Round About Midnight
1956.5.11 - Workin', Steamin'
1956.6.5 - 'Round About Midnight
1956.9.10 - 'Round About Midnight
1956.10.26 - Workin', Steamin', Cookin', Relaxin'

さらに、マイルスをこう綴っている。「1955年の10月下旬に『カフェ・ボヘミア』に出ている時、オレ達はコロンビアのためのレコーディングに入った。でもそれは、プレスティッジとの取り決めがあったから、1956年の5月まで出せなかった。〈中略〉オレはプレスティッジから離れたかった。まったくというわけじゃなかったが、オレが当然と思うような金を一度もくれなかったからだ。オレがジャンキーの時に、はした金で契約しておいて、それからはほとんど増やそうとしなかった。〈中略〉だが、オレは将来のことを考えなきゃならなかった。コロンビアが出してくれるという大金を断るなんて、オレにはできなかった。〈中略〉この4枚のレコーディングじゃ、本当にすばらしい演奏ができて、今でも大いに誇りに思っている。だが、それ以上に、プレスティッジとの契約がすべて終わって、やっと自由に前進できるようになった喜びのほうが大きかった」。

いわゆるマイルスの四部作がプレスティッジとの契約履行のために作られたことは、広く知られているが、その合間にマイルスは次の手を打っていたのだ。しかし、本作はプレスティッジから解放される前の録音。ジャケットのマイルスは解放後なのだろう。

1. 'Round Midnight
2. Ah-Leu-Cha
3. All Of You
4. Bye Bye Blackbird
5. Tadd's Delight
6. Dear Old Stockholm

Miles Davis - trumpet
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Tracks 1 & 3
Recorded on September 10, 1956 at Columbia 30th Street Studios, NYC.

Track 2
Recorded on October 26, 1955 at Columbia Studios, Studio D, NYC.

Tracks 4, 5 & 6
Recorded on June 5, 1956 at Columbia 30th Street Studios, NYC.

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