10枚組LPで発売された1978年頃、絶対に買わないと心に決めていた。お金の問題が一番だったが、レコードを収める棚はすでに満杯の状態。押し入れに平積みするしかなかった。時が過ぎ、6枚組CDボックスセットでリリースされたものの、購入にはさらなる決断が必要だった。そもそも、全13曲398分のピアノソロ即興演奏を集中して聴く自信が自分にあるのか。自問自答したものの、答えは簡単だった。聴かなきゃわからないはずだ。酒屋に並んだ酒がうまいかまずいか。飲まなきゃわからないのである。
京都、大阪、名古屋、東京、札幌でのピアノソロ・コンサート。イマジネーションと闘う長い旅。キース本人は鍵盤を叩き始めたら、終止符をいつ打つかは自分で決めるしかない。だが、アンコールを除いた10曲は、全て30分から40分を少し超える長さで区切りをつけている。まさか、ピアノの上に時計を置いているはずもなく、舞台の袖からスタッフが合図を送っていることもありえない。キースの集中力の限界が、この時間の長さなのだろう。さて、このアルバムのタイトルがなぜに『サンベア』となったのか。その答えは、ライナーノーツで菅野沖彦氏が書いている。これも、アルバムを買わなきゃわからないのだ。
Disc 1
1. Kyoto, November 5, 1976, Part 1
2. Kyoto, November 5, 1976, Part 2
Disc 2
1. Osaka, November 8, 1976, Part 1
2. Osaka, November 8, 1976, Part 2
Disc 3
1. Nagoya, November 12, 1976, Part 1
2. Nagoya, November 12, 1976, Part 2
Disc 4
1. Tokyo, November 14, 1976, Part 1
2. Tokyo, November 14, 1976, Part 2
Disc 5
1. Sapporo, November 18, 1976, Part 1
2. Sapporo, November 18, 1976, Part 2
Disc 6
1. Encores: Sapporo
2. Encores: Tokyo
3. Encores: Nagoya
Keith Jarrett - piano