エリック・ドルフィーが参加している音源を探し回っていた80年代前半。渋谷か新宿のディスクユニオンで、ジャケットにDolphyの文字がある中古LPを見つけ、迷わず購入した。その思いが強かっただけに落胆したのは事実。そもそも、ドルフィーを前面にフィーチャーしたアルバムではないので、これは自分の失敗。ドルフィーは全7曲中の3曲のみに参加。それでもドルフィーらしさを十分に発揮しているのだが、それは練り込まれたアレンジの中にあってである。
岡崎正道氏によるライナーノーツの冒頭で、本作のリーダーであるMichael Zwerin(マイケル・ズワーリン)のコメントを載せている。「このアルバムのアレンジメントは、単なるクルト・ワイルの作品のジャズ化ではない。ワイルのメロディーはジャズのスピリットにあふれている。私は30年代のジャズのかわりにそれらを60年代のものに替えてみただけだ」。ということで、アレンジを楽しむアルバムなのである。なお、CD化はされているが、廃盤状態に近いようだ。
1. Alabama Song
2. Havana Song
3. As You Make Your Bed
4. Mack The Knife
5. Bilbao Song
6. Barbara Song
7. Pirate Jenny
Thad Jones - cornet
Michael Zwerin - bass trumpet
Richard Davis - bass
Connie Kay - drums
Tracks 1 - 3
Eric Dolphy - alto saxophone, bass clarinet
Nick Travis - trumpet
John Lewis - piano
Recorded on January 10, 1964 at A&R Studios, NYC.
Tracks 4 - 7
Jerome Richardson - alto saxophone, bass clarinet
Jimmy Raney - guitar
Recorded on June 1, 1964 at Webster Hall, NYC.