サントラ盤。しかし、いきなりの咆哮で開始。ベースとドラムに対して4管のフロント。演奏が進んでいっても、主導権が誰にあるのかは不明。フリージャズとは言え、ベースが全体を支配するのが不文律であるが、その気配すら感じない。では、「よーいドン」でスタートして、この6人の目指すゴールはどこなのだろう。そんな浮遊感が漂う音空間。
実験的ではなく、実験ジャズ。それを記録に残したことに価値があって、実験としては「失敗」であったと言わざるを得ない。なぜなら、このアルバムに収録された3曲を、アルバート・アイラーは2度と演奏していないのだ。まぁ、サントラ盤であるし、完全即興演奏だろうから再演はあり得ないな。
1. Don's Dawn
2. A Y
3. ITT
Albert Ayler - tenor saxophone
Don Cherry - trumpet, cornet
Roswell Rudd - trombone
John Tchicai - alto saxophone
Gary Peacock - bass
Sunny Murray - drums
Recorded on July 17, 1964 in NYC.