McCoy Tyner / Horizon

CD化によって追加されたタイトル曲Horizonの別テイクを除いた5曲のうち、2曲がマッコイのオリジナル。残り3曲中、2曲がバイオリニストのブレイク、1曲がベーシストのファンブローの曲である。このバランスから、マッコイは自身の構想を無理やり推し進めるのではなく、メンバーとの協調作業を重視していたのだろう。それゆえに、アルバムSaharaやFly With The Window、そしてAtlantisなどに見られる強力なマッコイ・サウンドはここにはない。手探りながら、80年代へ向けての自分のサウンドを模索していたではないだろうか。

悠雅彦氏が1980年4月22日付けのライナーノーツで、このアルバムを詳しく分析している。悠氏の結論としては、1970年代の有終の美を飾ったすぐれた記録として高く評価している。反論するつもりはない、その通りだと思う。1980年代初めの評価としては。しかしながら、マッコイは、80年代に入ると迷走を始めた。残念ながら、有終の美を飾ったにもかかわらず、地平線の先に新天地はなかった。

1. Horizon
2. Woman Of Tomorrow
3. Motherland
4. One For Honor
5. Just Feelin'
6. Horizon [alternate take]

Joe Ford - alto saxophone, soprano saxophone, flute (tracks 1-3,5)
George Adams - tenor saxophone, flute (tracks 1-3,5)
John Blake - violin (tracks 1-3,5)
McCoy Tyner - piano
Charles Fambrough - bass
Al Foster - drums
Guilherme Franco - congas (tracks 1-3,5)

Recorded on April 24 & 25, 1979 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

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