McCoy Tyner / Sahara

全曲マッコイの作品。マッコイの真骨頂は、横滑りのスピード。鍵盤を叩き続けないと納得しないのだろう。このメンバーは、そんなマッコイの演奏スタイルに見事にマッチしている。150キロの速球を持っているのに、110キロのカーブなんて投げなれない、という連中だ。キャッチャー(聴き手側)も、中途半端で構えていると痛い目に遭う。

マッコイが好きだった。過去形なのは、1978年3月録音のアルバムThe Greetingまでだったから。残念ながら、その後のアルバムは「マッコイ、どうしたんだ?」が続いてしまった。ジャズに限らず、芸術家は過去の自分の作品を否定して、次に進んでいくのだろう。コルトレーンには、その変曲点となったアルバムがいくつかある。マッコイはそれを提示できずに、時代をやり過ごしてしまったような気がしてならない。

1. Ebony Queen
2. A Prayer For My Family
3. Valley Of Life
4. Rebirth
5. Sahara

Sonny Fortune - alto saxophone (track 4), soprano saxophone (tracks 1,5), flute (tracks 3,5)
McCoy Tyner - piano, koto (track 3), percussion (track 5), flute (track 5)
Calvin Hill - bass, reeds (tracks 3,5), percussion (tracks 3,5)
Alphonse Mouzon - drums, trumpet (track 5), reeds (track 5), percussion (tracks 3,5)

Recorded in January 1972 at Decca Recording Studio, NYC.

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