児山紀芳氏がライナーノーツで、このオーケストラの実質的リーダーであったマイク・マントラ―の以下の主張を取り上げている。なお、本作はCD化されておらず、完全に廃盤状態。
「経済的な制約もあって、ニュー・ジャズはもっぱら小編成形式で実践されてきた。しかもリーダーが作品を通じて、即興演奏(家)をコントロールするという主導性を発揮することが稀だったため、ニュー・ジャズは総体として混沌状態に陥った。作曲された作品によって即興演奏をコントロールするばかりでなく、せっかく新たに獲得した“自由”(それが多くの場合は誤って乱用されている)を、より多角的に表現可能なオーケストラで追及・発展させてみたい」。この主張は理解できるが、結局のところ大編成による即興演奏は、多くに人には受け入れられず、混沌状態へ再度陥ってしまったのである。
1. Roast
2. Day (Communications No.4)
3. Communications No.5
Steve Lacy - soprano saxophone
Jimmy Lyons - alto saxophone
Fred Pirtle - baritone saxophone
Michael Mantler - trumpet
Roswell Rudd - trombone
Paul Bley - piano
Track 1
Archie Shepp - tenor saxophone
John Tchicai - alto saxophone
Willie Ruff - French horn
Eddie Gomez - bass
Milford Graves - drums
Recorded on December 29, 1964 at Judson Hall, NYC.
Tracks 2 & 3
Bob Carducci - tenor saxophone
Robin Kenyatta, Ken McIntyre - alto saxophone
Ray Codrington - trumpet
Kent Carter, Steve Swallow - bass
Barry Altschul - drums
Recorded on April 10, 1965 at the Contemporary Center, NYC.