Herbie Hancock / The Herbie Hancock Trio

1977年発売当時のLPでは野口久光氏が、1992年にリマスターされたCDでは小川隆夫氏がライナーノーツを書いている。どちらも、V.S.O.P.クインテットの成功を論じていて、非常にインパクトのあったグループであったことは事実である。自分自身も、伝説となった1979年7月の雨の田園コロシアムに足を運んだ。

そんな追い風を受けて、V.S.O.P.メンバーからのピアノトリオによる演奏。全5曲中、Milestonesを除いた4曲がハンコックのオリジナルなので、アルバムタイトル通りハービー・ハンコック・トリオである。もう少しタイトルを工夫して欲しかったと思うが、逆に言えばこのメンバーで継続して活動するつもりはなかったということだろう。小川氏は、ピアノトリオの持つ魅力をあらゆる角度から追及し、一種のチャレンジを三人は楽しみながら行っている、と書いている。だが、チャレンジするならば、選曲が違ったはずだ。当時の三人はすでに超一流のジャズプレイヤー。「手癖」で演奏しているとしか思えない。

1. Watch It
2. Speak Like A Child
3. Watcha Waitin For
4. Look
5. Milestones

Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on July 13, 1977.

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