このゲイリー・ピーコックの音楽を何と表現すべきなのだろうか。ある意味、「厳しさ」を感じてしまうし、ピリピリとした「痛み」のようでもある。リズムで受け止めるジャズではない。リズムに乗ることを許してはくれないし、メロディーの協調を受け入れる要素すら持たない。題目通り『過去からの声』であって、同調や協調を求めるものではない。その「声」をどう感じるかを問われてしまうジャズ。ここでは、敢えて「ジャズ」と書いておこう。そうでなければ、ピーコックの音楽の行き場がなくなってしまう気がする。
サブタイトルと5曲目の『パラダイム』。1980年当時に良く使われた言葉。敢えて訳せば「枠組み」。自分自身も「パラダイム・シフト」と安易に言っていた。だいぶ言い尽くされてしまったが、ここ数年は「イノベーション」。言葉を変えても、本質は同じである。実に簡単なことで「人がやらないことをやること」。ただ、それだけ。ジャズのブログを書き続けること。書くことは誰でもやっているようだが、「書き続けること」は、そう簡単なことではない。
1. Voice From The Past
2. Legends
3. Moor
4. Allegory
5. Paradigm
6. Ode For Tomten
Jan Garbarek - tenor saxophone, soprano saxophone
Tomasz Stanko - trumpet
Gary Peacock - bass
Jack DeJohnette - drums
Recorded in August 1981 at Talent Studio, Oslo, Norway.