David Murray / Ming

フロント5管の8人編成。好きに演りなさい構成であるが、メンバーそれぞれが個性を出しながら、見事にまとまっている。これは指揮官であるデヴィッド・マレイの采配によるものだろう。つまり、マレイは我慢の人なのだ。

全5曲がマレイの作品で、ラスト曲のDewey's Circleに本アルバムの本質がある。ゴスペル的な雰囲気が漂っていて、スピリチュアル・ジャズと言っても良いだろう。このラストに至るまでの4曲にはフリー・フォームの要素が強く、アルバム全体の味付けが濃くなり過ぎている。やりたい演奏と聴いてもらいたい演奏が、混在してしまった感じ。8人全員が芸人に、つまり聴いてもらいたい演奏に徹していれば、もの凄いポテンシャルを持ったアルバムになったはずだ。我慢し過ぎたマレイ。

1. The Fast Life
2. The Hill
3. Ming
4. Jasvan
5. Dewey's Circle

David Murray - tenor saxophone, bass clarinet
Henry Threadgill - alto saxophone
Olu Dara - trumpet
Lawrence "Butch" Morris - cornet
George Lewis - trombone
Anthony Davis - piano
Wilber Morris - bass
Steve McCall - drums

Recorded on July 25 & 28, 1980 at Right Track Recording Studios, NYC.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です