非常に完成度の高い「フリージャズ」である。と書き出してしまったが、フリージャズに完成度という尺度はそもそも合わない。フリーとは完成させないこと、とも言えるのだ。もう50年前の録音。果たして、チックはこういうジャズの形態を標榜していたのか。彼のアルバムのその後の変遷を見れば分かる。
で、このアルバムをどう捉えるか。マイルスのアルバムBitches Brewに参画しての半年後。エレクトリックの対極としてアコースティックで、しかもピアノトリオでの新境地を目論んだのかもしれない。だが、一発花火で終わった感じがする。そもそもA.R.C.が何を意味しているのか分からない。
1. Nefertiti
2. Ballad For Tillie
3. A.R.C.
4. Vedana
5. Thanatos
6. Games
Chick Corea - piano
David Holland - bass
Barry Altschul - percussion
Recorded on January 11, 12 & 13, 1971 in Ludwigsburg, West Germany.