Charles Mingus / Changes One

アーチー・シェップが1972年1月に録音したアルバムAttica Bluesは、前年71年9月9日にニューヨーク州アッティカの刑務所で起こった囚人暴動がきっかけ。このアルバムの原田和典氏によるライナーノーツには「囚人の半数以上がアフリカ系アメリカ人およびプエルトリカンだったのに対し、看守は全員白人であり、ニガー・スティックなる棍棒等でのリンチは日常茶飯事だったと伝えられる。暴動を知ったニューヨーク州知事ネルソン・ロックフェラーは州兵に武力弾圧を命じ、39人に死をもたらした」と記している。

シェップの録音から3年近く経った74年12月。ミンガスは、1曲目のRemember Rockefeller At Atticaで、この事件を忘れるなと警告を鳴らした。タイトルをChangesとしたことに、ミンガスの強い思いがあったのだと思う。シェップのアルバム、そして本作の録音から50年近くが経過した。しかし、未だに人種差別の問題は根本的になくなっていない。ミンガスは、ジャズの世界で一時代を築き上げてきた。だが、その根底には「黒人差別」があったのである。

1. Remember Rockefeller At Attica
2. Sue's Changes
3. Devil Blues
4. Duke Ellington's Sound Of Love

George Adams - tenor saxophone
Jack Walrath - trumpet
Don Pullen - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums

Recorded on December 27, 28 & 30, 1974 at Atlantic Recording Studios, NYC.

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