ミンガスの代表アルバム『直立猿人』の続編とも言える『道化師』。全4曲、ミンガスの作品である。LP裏面にはナット・ヘントフによるライナーノーツがあり、ミンガス自身による各曲の解説を引用している。ポイントだけ抜き出すと以下のようになる。
「Haitian Fight Song(ハイチ人の戦闘の歌)は、偏見、憎しみや迫害について考えないと真の演奏はできない。Blue Ceeは、カウント・ベイシーのようでもあり、教会の雰囲気を出している。Reincarnation Of A Lovebirdは、チャーリー・パーカーに捧げた曲。The Clownは、死ぬまで観客を喜ばせることができなかった道化師の物語だ」。アルバム全体に一貫した主張がある。それは「黒人」だろう。ブンブンと唸るミンガスのベースが、「身構えて聴け!」と言っている気がする。
1. Haitian Fight Song
2. Blue Cee
3. Reincarnation Of A Lovebird
4. The Clown
Shafi Hadi - alto saxophone, tenor saxophone
Jimmy Knepper - trombone
Wade Legge - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums
Jean Shepherd - narration (track 4)
Recorded on February 13 and March 12, 1957 at Atlantic Studios, NYC.