1959年1月16日、ニューヨークThe Nonagon Art Galleryでのライブ演奏。このギャラリーを検索すると、本アルバムのジャケットが数多くヒットしたものの、ライブの様子を捉えた写真は見つからなかった。その名の通り九角形の会場だったのだろうか。そして、聴衆は何人ぐらいいたのだろう。拍手から数十人程度かと思うのだが。
このアルバムでは、収録曲全てでミンガスのベースソロを聴くことができる。ミンガスは極めてユニークなソロを展開。地を這うような感覚でもなく、超技巧的なストリングでもない。楽曲の流れを遮るようにベースが入ってきて、観客を唸らせるのではなく、自分自身が自分の演奏に酔ってしまう感じ。グループ全体を支配しながらも、自分を支配できていない。実は、そこにミンガス・ミュージックの面白さがあるのではないだろうか。ミンガス・ミュージックに一番当てはまらなかったのは、ミンガスのベースソロ。これを軸にミンガスを聴くと、ミンガスというミュージシャンが分かってくるような気がする。
1. Nostalgia In Times Square
2. I Can't Get Started
3. No Private Income Blues
4. Alice's Wonderland
John Handy - alto saxophone
Booker Ervin - tenor saxophone (tracks 1-3)
Richard Wyands - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums
Recorded on January 16, 1959 at The Nonagon Art Gallery, NYC.