森山威男 / A Live Supreme

「現役で好きなドラマーは?」と聞かれたら、迷うことなく森山威男と答える。コルトレーンのアルバムA Love Supremeをもじったタイトル。それに反発する意見もあるかと思うが、中身はコテコテの森山ジャズ。もう20年近く前のライブ録音。その場に自分がいなかったことが今でも悔やまれる。このアルバムは森山のドラミングを中心に聴くこと。そこからジャズの神髄が分かってくる。ジャケットに大きく陣取った"1"の文字。Vol.1の意味ではない。自分は「一期一会のセッション」と理解している。以下は商品解説からの抜粋。

「森山威男が2003年9月20日、可児市文化創造センター主劇場で行ったライブは、アメリカよりジョージ・ガゾーンとエイブラハム・バートンというツイン・テナーを迎えて、〈至上の愛〉全4楽章をはじめとしたコルトレーン・ナンバーを演奏するというのもので、本作はその模様を捕らえたライブ盤。それにしても凄まじい。〈中略〉何より全編通してリーダー森山威男のドラムの素晴らしさに耳を奪われます。どんなに乱打しても決してバンド・サウンドがにごらない、すっきりと芯の通ったドラム。爆ぜるような勢いを持ちつつもシャープな切れ味も兼ね備えたドラムは唯一無二。本アルバムのタイトル〈至上のライブ〉の名は伊達ではありません」。

1. A Love Supreme
  Part 1: Acknowledgement
  Part 2: Resolution
  Part 3: Pursuance
  Part 4: Psalm
2. I Want To Talk About You
3. Impressions

George Garzone - tenor saxophone
Abraham Burton - alto saxophone
田中信正 - piano
井上陽介 - bass
森山威男 - drums

Recorded on September 20, 2003 at ala - 可児市文化創造センター.

渡辺貞夫 / My Dear Life

想い出すのは、FM東京の『ブラバス・サウンド・トリップ/渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ』。ネットで調べたところ、1972年から89年まで毎週土曜日24:00から1時間番組として放送、とあった。自分が毎週のように聴いていたのは、学生時代なので76年から80年初め頃まで。ジャズ研の時はタイトル曲My Dear Lifeを学祭で演奏したが、メロディーが完成され過ぎていてアドリブ勝負の曲でなく、盛り上がらなかったことを記憶している。

CD帯から。「世界のナベサダが澄んだ青空の下、ロサンゼルスに飛んで、ウェスト・コーストの最高のスタジオ・ミュージシャン達と共に創り上げた最新アルバム」。録音当日の1977年4月26日が青空だったのかは知らないが、ジャケット裏に記載された録音データによると、トロンボーンの福村博はロスのセッションには参加せず、6月下旬に東京でナベサダと福村のみが録音。つまり、梅雨空の下、オーバーダビングして完成させたアルバム。ロスへ連れて行ってもらえなかった福村。それも、His Dear Lifeである。

1. Massai Talk
2. Safari
3. Hunting World
4. L.A. Sunset
5. Samba Em Praia
6. Music Break
7. Malaika
8. My Dear Life

渡辺貞夫 - alto saxophone, flute, sopranino
福村博 - trombone
Lee Ritenour - guitar
Dave Grusin - piano, electric piano
Chuck Rainey - electric bass
Harvey Mason - drums
Steve Forman - percussion

Recorded on April 26 & 28, 1977 at United Western Studios, L.A.
Recorded on June 25 & 28, 1977 at Onkio Haus, Tokyo.

加川良 / プロポーズ

2015年9月27日付けのブログで次のように書いた。久しぶりに聴いたが、今でも同じ気持ちだ。

困った。加川良は言葉で聴いてきた。このアルバムはリズムで聴かせようとしている。歌い手は変わっていく。それはそれで自然。聴き手は歌い手を常に追いかけていないと、変曲点を捉えきれない。加川良の歌は本質的には変わっていない。だけど、リズムに力点を置いた理由が分からない。それでも、「ゴスペル ―嘘でもいいから―」は加川らしい心に沁みる唄。満月の夜にふさわしい。

1. コスモス
2. HELP!
3. 通りゃんせ
4. ラブソング
5. 道
6. セリフ
7. HIGH-GEAR
8. 日本海が広がっている
9. ゴスペル ―嘘でもいいから―
10. 誕生日

発売 1981年4月21日