笠井紀美子 / This Is My Love

CD帯から。「70年代の日本ジャズ・ボーカル界を牽引した歌姫、笠井紀美子のニューヨーク・レコーディングがCDで復活。マイルス・デイビスとのコラボレーションで知られるテオ・マセロをプロデューサーに迎え、サポートにはスタン・ゲッツ、リー・コニッツ、コーネル・デュプリー、ボビー・スコットら超豪華メンバーが集結。笠井の代表作であるのみならず、日本ジャズアルバム史上にも光り輝くドリーム・プロジェクト」。

大学のジャズ研でウッドベースを弾いていた頃、日本の女性ボーカリスト言えば笠井紀美子だった。だけど、彼女のアルバムに手を出すほどの余裕がない貧乏学生。もっぱらFM局から流れる彼女の唄を聴いていただけ。45年以上前に豪華メンバーを揃えて、全10曲を収めたアルバムがあったとは知らなかった。

1. Use Me
2. Come Rain Or Shine
3. Happy Together
4. The Good Life
5. Love For Sale
6. Autumn Leaves
7. The Lamp Is Low
8. And Roses And Roses
9. I Wish I Could Walk Away
10. Little Things

Kimiko Kasai - vocals
Stan Getz, Al Cohn - tenor saxophone
Lee Kontz - alto saxophone
Joe Beck, Cornell Dupree, Jerry Freidman - guitar
Bobby Scott - keyboards, vocals
Bob Cranshaw - bass
Billy Lavorgna, Allan Schwartzberg - drums

Recorded on Jun 24, 1975 at Electric Ladyland Studio, NYC.
Recorded on July 18, 1975 at Columbia Recording Studios, NYC.

加川良 / 南行きハイウェイ

3曲目は「高知」そのものがタイトルなのだが、2曲目の詩の中で「いつか高知へ引越したい」と唄っている。メンフィスで録音したアルバムであるが、加川良の中にある「南行き」は高知。高知の何が、加川をそれだけ引き付けるのか?加川の詩、曲、声に飽きがくることがない。つまり、古さを感じないということだ。拓郎の場合、初期のアルバムを聴きたいと思うことはめったにない。なんだか自分を振り返る感じがするから。加川は時代を唄ってきた訳ではないということだろうか。

ライナーノーツで小川真一氏が、こう分析している。「いわゆる世間でいうところのフォークソングから、どれだけ距離を置くことができるかが、〈アウト・オブ・マインド〉以降の加川良のテーマだったように思う。フォークを毛嫌いするといった意味ではなく、ひとりのシンガーソングライターの作品として聞いてもらうためには、古い外套を脱ぎ捨てる必要があったのだ」。メンフィス録音の理由は分かったが、高知の回答は得られなかった。

1. 転がりつづける時
2. カントリーハット・ポップ
3. 高知
4. ホームシック・ブルース
5. あの娘に乾杯
6. 窓辺にもたれて
7. アラバマ
8. ジョーのバラッド
9. 地平線
10. 北風によせて

加川良 - vo
石田長生 - gt, tambourine, arr
中川イサト - gt
Gene Chrisman - ds
Leroy Hodges - el-b
Charles Hodges - org
James Hooker - p, org
Ace Cannon - ts
Wayne Jackson - tp
Andrew Love - ts
Lewis Collins, Jr. - ts
James Mitchell - bs
Jack Hale - tb
Rhodes, Charles & Rhodes - background vo
The Memphis Strings

テキサス州メンフィス録音 1976年7月 / 発売 1976年10月

加川良 / 十月は黄昏の国

加川良の中でも異色のアルバム。以下のデータを見ればよく分かる。正直に言って、購入は失敗した。ここに加川良はいるが、加川以外がたくさんいて、加川はその中に埋もれている。以下は小川真一氏によるライナーノーツからの抜粋。加川の全てのアルバムを聴きたい時がかつてあり、しっかり調べずに購入したのだった。

「本作は、75年6月に上演された、東京キッドブラザーズのフォーク・ミュージカル〈十月は黄昏の国〉のオリジナル・キャスト盤(映画でいえばオリジナル・サウンドトラック盤)として発売された。これまでの加川のアルバムとは趣が異なり、小椋佳が作詞作曲したものを加川が歌う、加川良の作品を坪田直子が歌うといったように、スペシャルな企画が用意されている」。

1. テーマ:愛は雨に
2. 失われた夏
3. グッド・モーニング
4. 眠れない夜のために
5. 海を背負えば
6. 十月は黄昏の国
7. 縦縞のシャツを着て
8. 人に生まれて
9. ホタルのうた
10. 風の別れ
11. テーマ:黄昏の珈琲
12. それでも夕焼け

発売 1975年8月10日