加川良 / アウト・オブ・マインド

2017年4月5日に69歳で逝ってしまった加川良。もう4年経ってしまった。もっともっと歌い続けていって欲しかったシンガー。加川は自分にとって高校時代のアイドルだった。当時、メジャーは吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫。彼らの音楽を聴きながらも、マイナーも聴こうとしていた。五つの赤い風船、高田渡、加川良、遠藤賢司、はっぴいえんど。僅かな小遣いで購入したレコードはマイナーのシンガー。メジャーはラジオ放送で聴く事が出来たから。未だに手放せないLPの一つである。

1. ラブ・ソング
2. こんばんは お月さん
3. 知らないでしょう
4. あした天気になあれ
5. 子守唄をうたえない親父達のために
6. あの娘と長崎
7. 2分間のバラッド
8. かかしのブルース
9. たかが私にも
10. つれづれなるままに

加川良 - all songs, acoustic guitar
中川イサト - acoustic guitar, dobro, electric guitar
佐藤博 - acoustic piano, electric piano, hammond organ
田中章弘 - electric bass
林敏明 - drums
末永博嗣 - okulahoma harmonica
長野たかし - accordion, back ground vocal
金森幸介 - back ground vocal
本間仁子 - back ground vocal
松井知子 - back ground vocal
村上律 - pedal steel guitar
鈴木茂 - electric lead and slide guitar

録音 スタジオ・サウンド クリエーション 1974.8.1 - 8.19 / 箕面市民会館 1974.8.15 - 8.16 / キングレコード IST.スタジオ 1974.8.30

加川良 / やぁ。

加川良のアルバムは、ほとんど所有している。この『やぁ。』は発売と同時に購入。高校2年生の時。それから何度もターンテーブルに乗せて来たので、ノイズだらけのLPとなってしまった。2017年8月に、ボーナストラック3曲が追加されたCDがリリース。17年4月5日に69歳で他界した加川良を思い、中古ではなく新品を購入。

スタジオ録音の新曲をアルバムで発表し、その反響をみてからライブアルバムを制作するというのが、一般的なパターンだと思う。だが、この『やぁ。』はいきなりのライブアルバム。ライブを聴きに来た人は、加川の新曲に出会えた訳である。そのどれも素晴らしい曲。3曲だけピックアップした。

「大晦日」(作詞作曲:加川良)
月日はただ 過ぎ去るために あったのでしょうか
お元気ですかと抱きあえば それが故郷なのでしょうか
・・・

いつかきっと 舟にのって 僕の昨日を 探しあてて
いつかきっと 舟にのって 僕の昨日を 住み家とするさ
・・・

「精一杯」(作詞作曲:加川良)
これだけ今日は がんばりましたと 陽は暮れてゆきます
これだけ今日も 歩きましたと 僕は僕で一人言
・・・

ぬけられません この先は もどれませんよ ここからじゃ
もう何にも 聞きたくありません もう何にも 言えません

上には上が ありました そして僕は 僕でしかなかったし
下には下が ありました それで良かったと一人言
・・・

「流行歌」(作詞作曲:加川良)
マッチ 1本 火をつけて 明日を のぞいたら
夜空 いっぱい 思い出がふるえていました

だから僕は 火を消して 夜空を 見上げ
思い出 いっぱい かきあつめそして 唄います

君は君のことが 好きでありますように
僕は僕のことが 好きでありますように
・・・

1. 大晦日
2. 夜汽車に乗って
3. フォーク・シンガー
4. 百円札
5. 枚方のあきちゃん
6. 小指ちゃん
7. もうすぐ春が
8. 東京
9. 精一杯
10. 流行歌
11. ポケットの中の明日
12. 夜汽車にのって
13. 伝道

加川良 - ボーカル、アコースティック・ギター、ピアノ
中川イサト - アコースティック・ギター、ドブロ・ギター、スライド・ギター、ピアノ

Tracks 1 - 10
渋谷:ジャン・ジャン、名古屋:勤労会館小ホール、豊田:勤労会館ホール、お茶の水:日仏会館
Tracks 11 & 12
山下洋輔トリオ他・コンサート(1971年12月25日)
Track 13
はしだのりひことクライマックス・コンサート(1971年4月13日)

LP発売:1973年10月/CD発売:2017年8月30日

加川良 / 親愛なるQに捧ぐ

高田渡のマネージャーを務めていた加川良。「Q」とは高田渡のことである。48年前の録音。何度となくターンテーブルに載せてきた。多くのLPを手放したが、このLPは決して手放すことができない。本作の録音の前年である1971年、アルバム『風街ろまん』を録音した「はっぴいえんど」のメンバー3人が参加していることに注目。所属していたレーベル・URCレコードのつながりである。

5曲目の鎮静剤(原詩:マリー・ローランサン、訳詩:堀口大学)は高田渡も作曲しているが、加川良の曲の方が師匠を超えている。高田渡は2005年4月16日に56歳で、本作にコーラスで参加した大瀧詠一は2013年12月30日に65歳で他界。そして、加川良は2017年4月5日に69歳で逝ってしまった。

1. 偶成
2. こがらし・えれじぃ
3. 夕焼けトンボ
4. 靴ひもむすんで
5. 鎮静剤
6. こもりうた
7. 下宿屋
8. 白い家
9. コオロギ
10. 親愛なるQに捧ぐ

今井裕 - piano
渡辺勝 - piano
細野晴臣 - piano, electric bass
駒沢裕城 - steel guitar, doburo
武川雅寛 - fidle
中川イサト - acoustic guitar
伊藤銀次 - electric guitar
村上律 - chorus
若林純夫 - chorus
大瀧詠一 - chorus
岩井宏 - chorus
松本隆 - drums
吉野金次 - strings arrangement

録音 1972年4月20日