高田渡 / 27/03/03

このアルバムは次のように紹介されている。『2003年3月27日に、NHK-FMの人気音楽番組「LIVE BEAT」用に公開録音された音源をほぼノーカットで収録した本作は、高田親子2人だけによるライブを記録した貴重な作品』。高田渡が亡くなったのは2005年4月16日(享年56)。この音源がアルバム化されたのが2006年4月12日。

収録時間は66分となっているが、高田渡の語りが半分近くを占めているだろう。つまり、このアルバムで渡の人柄を知ることができる。9曲目が終わったとき、息子の漣が渡に「いつもより調子いいね、今日は」と話すと、渡は「早く帰りたい」とつぶやくのだ。

1. 仕事さがし
2. 69
3. 魚つりブルース
4. アイスクリーム
5. コーヒーブルース
6. 流行ものには目がないわ
7. 値上げ
8. ごあいさつ
9. 鎮静剤
10. マリア・エレナ ~ ワイルドウッド・フラワー
11. 銭がなけりゃ
12. モアナ・チャイムズ
13. トンネルの唄
14. ブラザー軒
15. 生活の柄
16. 夕暮れ

高田渡 / 高田漣

公開録音 2003年3月27日 / NHK-FM 音楽番組『ライブビート』

高田渡 / 渡

前作『ねこのねごと』から10年を経て発売されたアルバム。ここに、高田渡というミュージシャンの生き方が見えてくる。アルバムによるマーケットでの評価には一切関心がなく、旅回りをして歌い続けた。2005年4月3日、北海道白糠町でのライブ終了後に倒れ、釧路市内の病院に入院。同月16日、病院で心不全により死去。享年56だった。

渡は、必ずしも自身の作品にこだわっていない。歌いたくなる詩に出会えれば、それに曲を付ける。もしくは、トラディショナル曲のメロディーを組み合わせる。渡の代表曲である「生活の柄」も、山之内貘の詩に渡が曲を付けた。そして、「イキテル・ソング ~ 野生の花」はアメリカ民謡、「風」はイギリス民謡からメロディーを拝借している。このアルバムでの渡自身だけによる作品は「仕事さがし」と「酒心」。「酒心」は次のように歌い始める。詩というより、つぶやき。なので、この曲だけはバック・ミュージシャンはいなくて、ギターの弾き語り。

雨が降るといっては呑み
晴れれば 晴れたで呑む
雪で 一杯
紅葉 で一杯
夏の夕立後は さわやかに一杯

1. 仕事さがし
2. スキンシップ・ブルース
3. 病い
4. 相子
5. イキテル・ソング ~ 野生の花
6. ホントはみんな
7. こいつは墓場にならなくちゃ
8. 夕暮れ
9. 酒心
10. 生活の柄
11. さびしいといま
12. 風

発売 1993年5月25日

高田渡 / ねこのねごと

結局のところ、ワタル的生き方でいいのではないかと。その日の始まりは「おじいさんの古時計」、夕食を迎える時は「私の青空」。そんな一日をたんたんと唄って、飲み干してしまうワタル。

人生を唄っている訳ではない。その日を唄っているだけ。そこに、ワタル的な歌があって唄がある。

1. おじいさんの古時計
2. 冬の夜の子供の為の子守唄
3. 石
4. ねこのねごと
5. 酒が飲みたい夜は
6. ライムロック
7. いつか
8. バイバイ
9. なまけもの
10. 私の青空

発売 1983年10月