渡辺貞夫 / I'm Old Fashioned

ナベサダはすでに88歳。このアルバムを録音した時は43歳だった。1976年の発売当時、買い損ねたアルバムである。当時は、どちらかと言うとフリー系のジャズに傾いていて、日本人ならば山下洋輔や富樫雅彦を追いかけていた。その頃、ナベサダは凄いけど斬新さがない、なんて決め付けていた感じが自分にある。ちょっと生意気だったなぁ。今は、素直に凄い!と言ってしまおう。

The Great Jazz TrioのアルバムLove For Saleの録音前日、ナベサダはハンク・ジョーンズ、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスをバックに本作を録音。しかし、Love For Saleでは、ベースがバスター・ウィリアムスに替わっている。その理由は不明。そして、最終曲One For Cはナベサダの作品でありながら、ピアノソロで仕上がっている。せめて、ナベサダのフルートを絡ませて欲しかった。

1. Confirmation
2. Gary
3. 3:10 Blues
4. Episode
5. I Concentrate On You
6. Chelsea Bridge
7. I'm Old Fashioned
8. One For C

渡辺貞夫 - alto saxophone, flute (except track 8)
Hank Jones - piano
Ron Carter - bass (except track 8)
Tony Williams - drums (except track 8)

Recorded on May 21, 1976 at Vanguard Studios NYC.

渡辺貞夫 / PAMOJA

オール・ジャパンによる1975年10月27日の読売ホールでのライブ演奏。この頃の日本のジャズは、世界に通用していた。いや、超えていたとも言える。PAMOJAとはスワヒリ語で「一緒に」という意味らしい。曲名をタイトルにするのは構わないが、ジャケットの写真は全くの意味不明。ジャケットからオール・ジャパンのライブを連想する人は皆無だろう。

1974年7月、日本初のジャズ専門レーベルとして設立されたイースト・ウィンド。その志は高かったと思うのだが、ジャズファンに目を向けていたのだろうか。本作は、1曲目が終わらないうちに拍手を入れて2曲目を被せている。ラスト曲もフェイドアウト。LPでは収録時間の関係から苦肉の策だったのかも知れないが、CDではその音源をそのまま流用。やはり、ファンを無視しているのだ。

1. Vichakani
2. Musitoni
3. Pamoja
4. Ev'rytime We Say Goodbye

渡辺貞夫 - alto saxophone, flute
福村博 - trombone
増尾好秋 - guitar
本田竹曠 - piano
鈴木勳 - bass
村上寛 - drums
富樫雅彦 - percussion

Recorded on October 27, 1975 at Tokyo Yomiuri Hall.

渡辺貞夫 / Swiss Air

CD帯から。「演奏の神がかり的な迫力と観客の熱狂的な反応がケミストリーを生み出した。日本が世界に誇るジャズ伝道師、渡辺貞夫が5年ぶりにモントルー・ジャズ・フェスティバルで行なったライブレコーディング。アフリカに題材を求めたオリジナル曲を中心に、徹底的にモーダルかつスピリチュアル、濃厚な世界が繰り広げられている。本田竹曠の勢いあふれるピアノプレイも圧巻」。

ライナーノーツによると、曲順1,2,5,3,4で実際の演奏が行われたようだ。つまり、3曲目に演奏されたPagamoyoをフェイドアウトして5曲目に収録。LPでは仕方なかったのだろうが、CD化で何の工夫もしていないことに腹が立つ。ナベサダは素直にOKを出したのだろうか。

1. Masai Steppe
2. Tanzania E
3. Sway
4. Way
5. Pagamoyo

渡辺貞夫 - alto saxophone, sopranino, flute
本田竹曠 - piano
河上修 - bass
守新治 - drums

Recorded on July 18, 1975 at Montreux Jazz Festival, Switzerland.