吉田拓郎 / 俺が愛した馬鹿

そりゃあ、拓郎といえども、常に時代の先頭を行く音楽は作れない。その証でもあるアルバム。だけど、定期的には、アルバムをリリースしないと時代に乗り遅れてしまう。

結局、打ち込みでリズム刻んで「風になりたい」。最悪。その後、ここに収められた曲を、拓郎は唄っていない。「誕生日」と「俺が愛した馬鹿」だけは、1985年7月のライブアルバム「One Last Night In つま恋」で一回唄っているだけ。

1. 抱きたい
2. 俺が愛した馬鹿
3. 夏が見えれば
4. 誕生日
5. ふざけんなよ
6. 私は誰でしょう
7. LAST KISS NIGHT
8. 男の交差点
9. 風になりたい

発売 1985年6月5日

吉田拓郎 / FOREVER YOUNG

全曲、拓郎の作詞作曲。しかし、このアルバムは、「大阪行きは何番ホーム」を聴くためにある。「家を捨てたんじゃなかったのか/今、東京駅に立ち尽くす僕は…」という言葉は、そして、そのイメージが、その頃の時代を映し、今でも色褪せない。

対極にあるのが、この録音の10年前に発表された「なごり雪」。どちらも、起点は「東京」。西の大阪へ行くか、東へ行くイメージかの違いなのだが、背負っている重さが時代背景で異なる。

1. ペニーレインは行かない
2. 旧友再会フォーエバーヤング
3. 大阪行きは何番ホーム
4. 心が届いた
5. Life
6. 気分は未亡人
7. 君が先に背中を
8. 7月26日未明
9. one last night
10. ガラスのワンピース

発売 1984年10月21日

吉田拓郎 / 情熱

拓郎にとっては、きつい時期だったはず。なぜなら、このアルバムに収録された曲は、その後に歌われていない。唯一4曲目のI'm in Loveが、アルバム「One Last Night In つま恋」に入っているだけ。歌を作りためてアルバムを創ったのではなく、アルバムを創るために歌を作った。全曲、拓郎の作詞作曲。ラブソングばかりで、つまらない曲はないものの、心に残る曲もない。

拓郎で育った世代が社会に出て、拓郎を必要としなくなった時代である。だが、そんな世代が50歳前後になって、また拓郎を必要とするようになった。自分のこと。このCDを購入したのは2009年11月。50歳を過ぎてからである。

1. Woo Baby
2. 何処へ
3. 男と女の関係は
4. I'm in Love
5. 情熱
6. SCANDAL
7. 風の時代
8. チェックインブルース
9. 別離
10. 若い人

発売 1983年11月5日