吉田拓郎 / 王様達のハイキング

巷では、そこそこ評判が高いアルバムらしい。しかしながら、2枚組みのライブアルバムとしては平坦な印象。アルバム全体を通して「起承転結」がない。一つ一つの曲は、まさしく拓郎なのだが、アルバムとしての主張が感じられない。ジャケットの写真も、意味を持たせたのだろうが伝わってこない。

自分自身は、この時代にジャズにかなり傾倒していたので、尚更そう感じるのだろう。かつて、カラオケでよく歌っていた「外は白い雪の夜」もドラムが叩きすぎで、雪崩が起きないかと心配になる。つまり、力が入り過ぎた感じ。武道館なので仕方がなかったのか。そして、「祭りのあと」の出だしではキーを外してしまった。後の祭りである。

Disc 1
1. 夏休み
2. 春を呼べII
3. あの娘といい気分
4. 爪
5. 王様達のハイキング
6. 悲しいのは
7. S

Disc 2
1. この指とまれ
2. 狼のブルース
3. 外は白い雪の夜
4. 愛してるよ
5. サマータイムブルースが聴こえる
6. 唇をかみしめて
7. 祭りのあと
8. マークII

吉田拓郎 - electric guitar, harmonica
青山徹 - electric guitar
常冨喜雄 - acoustic guitar
中西康晴 - keyboards
エルトン永田 - keyboards
武部秀明 - bass
島村英二 - drums
Susie Kim, 舘野江里子, 菊谷淳子 - chorus

Recorded on July 27, 1982 in BUDOKAN.

吉田拓郎 / 無人島で…。

ジャケットをじっと眺めると、満天の星のイメージ。仮に、無人島の「地」と夜空の「天」をコンセプトにしたアルバムであったとしても、残念ながら、決め手になる曲が入っていない。拓郎自身のきつかった時代を象徴するアルバムでもある。レコード盤ではA面(「この指とまれ」から「ファミリー」まで)が吉田拓郎の作詞、B面(「パーフェクトブルー」から「白い部屋」)が松本隆の作詞という構成。

なお、4曲目の「ファミリー」は「80年ライブ収録」としか記載されていないが、Wikipediaによると日本武道館でのライブ録音だそうだ。この曲は、ライブ録音以外のバージョンは存在しないとのこと。

1. この指とまれ
2. 春を呼べⅡ
3. Y
4. ファミリー
5. パーフェクトブルー
6. 風のシーズン
7. 無人島で...。
8. 愛してるよ
9. 白い部屋

発売 1981年12月1日

吉田拓郎 / アジアの片隅で

どうしようもなく拓郎を聴きたくなるときがある。タイトル曲「アジアの片隅で」からエネルギーを補給するアルバム。だが今夜は、2曲目「いつも見ていたヒロシマ(作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎)」に歴史を考えなければならない。

オレはどこへ行こう 君はどこへ行く
時はおし流す 幾千の悲しみを
時は苦しめる 幾千の想い出を
焼きつけた都市から 確かな愛が聞こえる

* * *
1. まるで孤児のように
2. いつも見ていたヒロシマ
3. 古いメロディー
4. アジアの片隅で
5. 二十才のワルツ
6. いくつもの朝がまた
7. ひとつまえ
8. 元気です
9. この歌をある人に

発売 1980年11月5日