ピアノとベースのデュオ。所有するヨースケのアルバムの中で、聴く回数が少なかった一枚。改めて聴き直し、その理由が分かった。ベースのAdelhard Roidinger(アデルハルト・ロイディンガー)が、ヨースケに負けまいと弾き過ぎている。おかげで、ベース本来の役割を果たしていない。一方のヨースケは、ベースの出方を常に探っている感じ。ベースが「主」でピアノが「副」でも構わないのだが、ヨースケが持つエネルギーを出し切っていない。
プロデューサーのHorst Weber(ホルスト・ウェーバー)は、ライナーノーツでこう書いている。「全曲、前もって何の打ち合わせもなく、即興で演奏されたので、その時点では、ひとつもタイトルがついていなかった。ロイディンガーのアイデアで、タイトルをA Day In Munichとし、それぞれの作品にミュンヘンの市街の名を与えようという事になった」。タイトルの件はどうでも良く、結局のところ、録音が始まってからの二人の打ち合わせを聴かされている感じなのだ。なお、本作はCD化されていない。
1. Milbertshofen
2. Haidhausen
3. Schwabing
4. Neuhausen
5. Bogenhausen
6. Nymphenburg
7. Olympiadorf
山下洋輔 - piano
Adelhard Roidinger - bass
Recorded on June 20, 1976 at Studio 70 in München, West Germany.